だから、ひとり暮らしで週末はずっと家にいても、寂しくない人がいます。毎日同僚とお昼を食べて、週末には集まりもあるのに、家に帰ると空っぽな感じがする人もいます。心理学では一般的に、寂しさを主観的な感覚としてとらえます。見ているのは関係の質と、心の中で期待している形で、周りに何人いるかとはあまり関係がありません。
恋愛したくなるのは、この感覚へのとても自然な反応です。でも、それが効くとは限りません。足りないのが「わかってくれる人」なら、わかってくれないパートナーでは埋まりません。足りないのが日々のにぎやかさや居場所なら、恋愛で埋まるのは一部だけです。自分に何が足りないのかを先に分けておけば、恋人探しが薬探しになってしまうのを防げます。これは男女に関係なく同じです。
寂しさはどんな形で出てくるか。よくある3つの夜
寂しさが「すごく寂しい」という形で出てくることはあまりありません。たいていは、ごく普通の瞬間に隠れています。
- 日曜の夜9時。ひとりでコンビニ弁当を食べ終えて、インスタのストーリーズを流し見する。友達は海辺でバーベキュー、同僚はライブ。いくつかハートを押して、急に部屋がとても静かに感じる。
- 会社の忘年会。テーブルのみんなが笑っていて、自分も合わせて笑う。でも、今月自分が本当はひどい状態だったことを、誰ひとり知らない。大勢に囲まれていると、かえって誰にもわかってもらえていないことがはっきりする。
- お正月の帰省。親戚に「いい人いないの?」と聞かれて、笑ってごまかす。夜、子どものころの部屋で横になって、来年も再来年も同じかもしれないと思うと、胸がきゅっとなる。
3つの場面に共通しているのは、「誰かが自分の側にいてくれる」という感覚がなくなっていることです。すぐ隣に人がいたとしても。
寂しさはサインで、欠陥ではない
寂しさを何十年も研究してきた心理学者のジョン・カシオポは、寂しさをよく空腹やのどの渇きにたとえていました。空腹は食べるべきときを知らせ、寂しさは人とつながるべきときを知らせる。不快なのは、何かをさせるためです。
こう考えると、いいことが2つあります。ひとつは、寂しいからといってあなたに問題があるわけではないこと。寂しさはとてもありふれていて、イギリスや日本では孤独の問題を担当する大臣が置かれたほどです。もうひとつは、サインなのだから、急いで消そうとするより、何を求めているのかを聞きとることが先だということです。
このサインには厄介な面もあります。カシオポとルイーズ・ホークリーは2009年に寂しさに関する研究をまとめ、長く寂しさを抱えている人は、人付き合いの中の「脅威」にとても敏感になることを示しました。返信が遅ければ嫌がられたと受け取る。グループで誰も反応しなければ、自分は余計だと感じる。寂しいほど普通の反応を拒絶と受け取りやすくなり、ますます自分から動けなくなって、寂しさも長引きます。この傾向を知っておけば、次に「みんな自分なんか相手にしたくないんだ」と確信したとき、その後ろにはてなをひとつ付けられます。用語集の拒絶への敏感さは、これに近い状態のことです。
足りないのは人か、わかってもらうことか。2種類の寂しさ
社会学者のロバート・ワイスは1970年代に寂しさを2種類に分けました。今でもとても使える分け方です。
| 心の寂しさ | 人付き合いの寂しさ | |
|---|---|---|
| 足りないもの | とても親しくて、頼れて、わかってくれる人 | 一緒に何かをして、居場所だと感じられる友達やグループ |
| どんな感じか | 「誰も本当にはわかってくれない」「何かあっても誰に話せばいいかわからない」 | 「週末に行くところがない」「自分はどのグループにも属していない」 |
| 恋愛で埋まるか | 一部は埋まる。相手が本当にわかってくれるなら | 難しい。パートナーひとりが友達付き合い全部の役はできない |
| まずどこから | 今ある関係の1つか2つを、もう少し深く話す | 定期的に会うグループに入る |
「寂しいから、恋愛が必要だ」と感じている人の多くは、実は両方の寂しさを抱えていて、最初に思いついた答えが恋愛だったというだけです。足りないのが主に友達や居場所なら、明日から付き合い始めても、週末に相手が残業しているときには、またあの空っぽな感じが戻ってきます。
見落とされがちなケースがもうひとつあります。周りに人はいるのに、わかってもらえていないと感じる場合です。パートナーも友達もいるけれど、自分が気にしていることを話すたびに相手がすぐ流してしまう、あるいはそもそも自分が口に出していない。このとき足りないのは本当のことを話せる関係で、知り合いを増やしても助けになりません。こういう関係は、たいてい自分が少し多めに話してみるところから始まります。
寂しいと、なぜ恋人探しを急いでしまうのか
寂しさは、「誰かひとりいれば」がすべての問題の答えのように見せます。そしてマッチングアプリが、その答えをちょうど手元に置いてくれます。夜中にひとりでマッチングをスワイプすると、マッチが成立するたびに小さななぐさめがあって、それが過ぎると空っぽな感じが戻ってきて、またスワイプする。この、埋めるほど空っぽになるループが、レッスンの外からの刺激のランニングマシンで扱っていることです。マッチングアプリ疲れでも、スワイプするほど空っぽになる理由を分解しています。
もうひとつの理由は、計算の間違いです。自分から友達をごはんに誘う、サークルで人に話しかける。その瞬間の緊張は短いけれど激しい。ずっと話しかけない寂しさは長いけれどゆるやか。頭は激しい一瞬のほうを怖がるので、寂しいままでいることを選び、「いつか誰かが現れる」ことに望みを託しがちです。用語集ではこれを避けることの感情の帳簿と呼んでいます。この計算のやり直し方は、レッスンの話しかける怖さと、長く続く後悔で練習できます。
寂しいときの恋愛、よくある3つの落とし穴
寂しいときに恋愛してはいけない、と言いたいわけではありません。いい関係の多くは、どちらかがとても誰かといたいと思っていたときに始まっています。ただ、寂しさは次の落とし穴に特に落ちやすくします。
- 優しくしてくれる人なら誰でもいい。寂しさが長く続くと、ちょっとした気づかいがとても重く感じられて、「そもそも合っているのか」という問いを飛ばしてしまうことがあります。特に気をつけたいのは、最初から不自然なほど熱烈な人です。ラブボミングにいちばん引っかかりやすいのは、ちょうど寂しい時期の人です。
- 相手を薬にする。毎日一緒にいてほしい、いつでも返信してほしい。相手がいないと、空っぽな感じが戻ってくるから。これはふたりにとって大きなプレッシャーです。相手は埋まらない穴を埋めさせられている気がするし、自分もどんどん焦っていきます。用語集ではこの焦りを重さと呼んでいます。
- 付き合っても、まだ寂しい。もともと足りなかったのが友達や居場所なら、あるいは誰にも本音を話したことがないなら、恋愛でそれが自動的に変わることはありません。パートナーがいても寂しいと感じている人は、実はたくさんいます。
時間帯を決めて、実際に1回会う約束をすることを目標にする。
夜中に気分が落ちているとき、一気に50人スワイプする。
いつもどおり数週間様子を見る。言ったことを守る?自分のペースを尊重してくれる?
3日目で「この人しかいない」と思う。
友達とは今までどおり会い、自分の趣味も続ける。
生活が相手だけになり、返信が1時間遅れるだけで慌てる。
健全な関係は、たいていもともと自分の生活を持っているふたりが一緒になるものです。ひとりがもうひとりを生活のすべてにしてしまうと、健全ではなくなります。健全な関係のサインに、照らし合わせられる日常の特徴があります。
寂しいときにどうするか。まず日々の接点を取り戻す
恋人探しは同時に進めてかまいません。でもまずは、もっと小さくて効き目の早いところから始めます。毎日の人との接点です。
心理学者のジリアン・サンドストロムとエリザベス・ダンは2014年に一連の研究を発表しました。大学生は、いつもより多くのクラスメイトとやりとりした日のほうが、気分がよく、居場所があると感じていました。対象を1日に関わるすべての人に広げても結果は同じで、あまり親しくない人と少し話すだけでも効果がありました。シカゴ大学のニコラス・エプリーとジュリアナ・シュローダーも通勤の実験を行っています。電車やバスに乗る人に隣の知らない人と話してもらうと、黙って座っていた人より通勤が楽しかったのです。ところが別のグループに聞くと、ほとんどの人がひとりで静かに座っているほうがいいと予想していました。こうした浅い関係が深い関係の代わりになることはありませんが、1日の空っぽな感じをすぐに減らしてくれます。
まずはこんなことから始められます。
- 1日1回、一言多く話す。コーヒーを買うとき、ありがとうだけでなく「今日は混んでますね」と付け加える。
- しばらく連絡していない友達に、具体的なメッセージを送る。「元気?」だけで済ませずに、本当に相手を思い出したきっかけをひとつ書く。
具体的なことのほうが相手は返しやすいし、本当に思い出したことが伝わります。「元気?」だけだと、「まあまあ」と一言返ってきて終わることがよくあります。
- 定期的に会う場所に入る。毎週同じ時間のバドミントン教室、読書会、ボランティア。何度も顔を合わせるのは、知らない人が友達になるいちばん自然な道です。趣味や習い事で出会うでも、このよさをわかりやすく書いています。
- 毎日ひとつ、自分が楽しいだけのことをする。散歩、料理を1品、本を1章。誰に好かれるかとは関係ありません。21日セルフチャレンジは、これとノーと言う練習をひとつの計画にまとめています。
「ひとりでも幸せに暮らせる」は、恋愛をあきらめろと言っているように聞こえがちですが、ここではそうは考えません。むしろ出発点です。自分の生活と友達があれば、恋愛はプラスになって、浮き輪にはなりません。そういうときに出会った相手なら、本当に自分に合っているかを見極める余裕もあります。
考えているのが実は「そもそも恋愛したいのか」なら、恋愛したくないのは普通?に7つの質問のセルフチェックがあります。引っかかっているのが「一度も付き合ったことがない」なら、恋愛経験ゼロについての5つの誤解を読んでみてください。自分自身や人間関係についてのほかの記事は、マインドセットのページにまとめています。
寂しさがとても重くなったとき
寂しさは、たいてい生活の浮き沈みに合わせて変わります。でも、何週間もずっと重いままで、睡眠や食欲や仕事に影響が出ている、たいていのことに興味がわかない、「生きていても意味がない」と思うようになった、という場合は、もっと外に出ればいいという話ではありません。心療内科の医師やカウンセラーに相談してください。
今すぐ誰かに話を聞いてほしいときは、日本ならよりそいホットライン 0120-279-338(24時間、無料)、いのちの電話 0570-783-556 に電話できます。差し迫った危険があるときは、119(救急)か110(警察)に電話してください。
セルフチェック:何が足りないのか3問
1. パートナーはいるのに、週末に相手が残業していると、やっぱりすごく空っぽに感じる。いちばん足りないのは?
2. 寂しいとき、1日の空っぽな感じをいちばん早く減らすのは?
3. 知り合って3日の相手が、毎日熱烈に運命の人だと言ってくる。いちばんいいのは?
よくある質問
ひとりで寂しいのは、恋人を探すべきだというサインですか?
そうとは限りません。まず、足りないのがわかってくれるひとりの人なのか、一緒に暮らしの中にいる仲間なのかを分けてください。前者なら恋愛で一部は埋まりますが、後者はたいてい友達や定期的なグループで埋めるものです。両方足りないのもよくあることで、同時に進めてかまいません。ただ、全部を恋愛に賭けないようにしましょう。
恋人がいても寂しいのは普通ですか?
とてもよくあることです。寂しさはつながりの質で決まるので、周りに人がいても寂しくなります。お互いが気にしていることをあまり話していないなら、具体的なことをひとつ話してみるところから始められます。生活が相手だけになっているなら、友達や自分の趣味を取り戻すことも助けになります。
寂しいときにマッチングアプリで恋人を探すのはありですか?
ありです。ただ、開くタイミングには気をつけてください。いつも夜中や気分が落ちているときにスワイプしているなら、マッチのなぐさめは短く、終わるとかえって空っぽになります。時間帯を決めて使い、実際に1回会う約束をすることを目標にすれば、ずっと健全です。
ひとりでも幸せに暮らせますか?
暮らせます。それは恋愛したいかどうかとぶつかりません。自分の生活、友達、大事にしていることがあるのは、どんな関係にとってもいい土台です。ひとりで幸せに暮らせるというのは、誰かひとりに頼らなくても自分を支えられるということで、友達や家族を必要としていいのは変わりません。