「マッチングアプリは顔がすべて。見た目がふつうの男がやっても時間のむだ」
ネットの掲示板でよく見る言葉で、たいていスクショがついている。3か月スワイプして、マッチは一桁。
見た目がマッチに影響するのは確か。そこは関係ないふりをしなくていい。でも「マッチしない」という数字には、実はいろいろなものが混ざっている。自分で変えられるもの。写真、プロフィール文、誰に右スワイプしているか、マッチしたあとの書き出し。変えられないもの。アプリの表示のしかた、アプリ上の男女比、その日の相手の状況。分けて見ると、できることは思ったより多いし、この数字があなたについて語っていることは、思っているよりずっと少ない。
この質問をしてくるのはたいてい男性だけど、下のチェックは誰に置きかえても使える。
なぜ「マッチングアプリは顔だけ」を信じる人が多い?
半分は当たっているから。マッチングアプリは、まず写真しか見られない場所。現実では、相手が先にあなたの話し声を聞いたり、店員さんへの接し方を見たりして、そこから気になりはじめることもある。アプリではそれがまだ何も起きていなくて、第一印象がすべて。だからマッチングアプリは、確かに現実より第一印象がものを言う。
もう半分は、ちょっと認めにくい理由。この結論があれば、動かなくてすむ。「写真はもっとよくできる」「プロフィール文がすかすか」と認めると、少し居心地の悪さに向き合って、手間をかけて直さないといけない。「どうせ顔だけ」と言えば、そのままあきらめられる。直すときの居心地の悪さは数日で終わるのに、ずっと進まない落ちこみは何年も続くかもしれない。それでも後者を選ぶ人は多い。
実際、半分はもともと変えられない
まず変えられない半分を並べておく。それまで自分のせいにしないために。
- アプリがどう並べて、誰に表示するか。これはアプリ側のことで、外からは推測しかできない。見えないし、変えられない。
- アプリ上の男女比。男性ユーザーのほうが女性より多いマッチングアプリは少なくない。同じ一晩スワイプしても、男性がもらう右スワイプはもともと少ない。
- 相手のその時の状況。別れたばかり、暇つぶしに眺めているだけ、すでに別の人と話している、週に1回しかログインしない。
- 住んでいる場所。人が少ない地域なら、表示される人もそもそも少ない。
この半分は、どんなに条件がよくても存在する。だからマッチ数が少ないことを、そのまま「自分はだめ」に換算できない。言えるのはせいぜい、このアプリで、この時期に、このバージョンのプロフィールだと、数字はこうなる、ということだけ。
自分で変えられる4つのこと
1. 写真:まず誰なのかがはっきり見えるようにする
ずっとマッチしないとき、最初に見直すのはいつも写真。先に有料のブーストを買う人もいるけど、ブーストは同じプロフィールをもっと多くの人に見せるだけ。写真がだめなら、もっと多くの人にスワイプで飛ばされるだけになる。
さっとチェックしてみる。よく撮れていて、はっきり見える正面の顔写真が最低1枚あるか。全身写真が1枚あるか。好きなことをしている写真が1枚あるか。サングラス、集合写真、5年前の写真がないか。答えられない項目がいくつもあるなら、まずここから直す。自分でうまく撮れないなら、写真がうまい友達かカメラマンに一式撮ってもらって、自然に加工して、いちばんいい5〜7枚だけ残す。どの写真を載せて、どれを飛ばすかは、マッチングアプリの写真の選び方に8種類まとめてある。
ここはいちばん早く変えられる層でもある。髪を切る、サイズの合った服に替える、昼間の自然光で撮り直す。数日で終わる。無料レッスン外見はすぐ変わる、中身はゆっくり変わるが言っているのが、まずすぐ変わる層を整えること。
2. プロフィール文:相手が聞ける細かいことを渡す
プロフィール文が空白、「ご縁があれば」「何を書けばいいかわからない」だけ、あるいは「ユーモアがある、向上心がある、親孝行」の羅列。相手が1秒余分に止まる理由がない。具体的で、本当で、聞き返せる細かいことを3つに替えると、違いははっきり出る。書き方はマッチングアプリの自己紹介文の書き方に。
3. 誰にスワイプしているか:本当に知り合いたい人だけ右にする
マッチ数を稼ぐために、誰にでも右スワイプする人がいる。マッチは増える。でも半分の人とは本当は話したくないから、やりとりがひとつずつ死んでいって、最後に出る結論は結局「マッチングアプリは使えない」。
右スワイプする前に相手のプロフィールを見て、自分に一言聞く。マッチしたら、この人に聞きたいことがひとつでもあるか。なければやめておく。マッチは減るかもしれないけど、ひとつひとつがやりとりになる見込みは高くなる。誰が先にいいねしてくれたか見られるアプリなら、そこから話しかけると返信率はずっと上がる。
4. マッチしたあと、どう話しかけるか
実はマッチはしているのに、どれも話が続かなくて、そのうち「マッチしない」とあまり変わらない気分になる人もいる。プロフィールが十分よければ、「こんにちは」の一言でも返してくれる人はいる。その「こんにちは」がほとんど返ってこないなら、まず写真とプロフィールがその一言を支えられているかを見直して、次に書き出しが丁寧すぎないか、力みすぎていないかを見る。もっと返しやすくしたいなら、相手のプロフィールから細かいところをひとつ拾って、答えやすい質問をひとつする。やり方はマッチングアプリの最初のメッセージに。
マッチ数はデータで、自分の点数じゃない
この記事でいちばん言いたいのがこれ。
1回の左スワイプは、写真1枚が1秒で与えた印象にすぎない。相手はまだあなたという人を知らない。話し声も聞いていないし、友達にどう接するかも、何を大事にしているかも知らない。この数字を自分の採点にするのは、あなたのことを全然知らない人たちに点数をつけさせるのと同じ。結果をデータとして扱って、自己否定にまで持ち上げない。これが無料レッスンひとつの「ノー」で自分は否定されないで練習していること。
よくあるのにあまり語られない状況もある。写真を直してマッチが増えたあとで、かえって緊張する人がいる。心の中ではまだ「本人に会ったらがっかりされる」と思っていて、デートの前にずっとキャンセルしたくなるし、会ったらずっとご機嫌取りをしてしまう。条件はよくなったのに、自分には価値があるという感覚が追いついていない。外見は数日で直せるけど、自分は大事に扱われていい人間だと思えるようになるには、ずっと長い時間がかかる。この2つがなぜ違うのかは、自己価値と自信の違いでくわしく話している。
惹かれる気持ちには、実は速い層と遅い層がある。速い層は見た目と清潔感で、相手が会ってみようと思うかを決める。遅い層は、どう話すか、ノーと言えるか、好かれたくてご機嫌取りをするかどうかで、会ってから相手がどう見るかを決める。テキサス大学のイーストウィックとハントは2014年、知り合ったばかりの人と、長く知り合っている人が、お互いをどう評価するかを比べた。第一印象の段階では、「誰が魅力的か」についての見方はかなり一致していた。知り合う期間が長くなるほど、評価はその二人がどう付き合っているかで決まるようになった。マッチングアプリは、ちょうどいちばん第一印象しか見ない場所。だから現実の生活よりも残酷に感じられる。
見た目は気づいてもらうためのもので、付き合い方が、相手がまた会いたいと思うかを決める。これがレッスン見た目より振る舞いのテーマで、マッチ数がふつうなのに、会ってみると写真よりまた会いたくなる人が少なくない理由でもある。
もっといいやり方:2週間に1回、1つだけ変える
毎日アプリを開いてマッチ数を見て、その日の気分を決めるより、小さな実験として扱う。
- 今のプロフィールをスクショして、この2週間のだいたいのマッチ数と、10往復以上続いたやりとりがいくつあったかをメモする。
- 1つだけ変える。おすすめは1枚目の写真から。
- 2週間回して、もう一度比べる。よくなったら残す。変わらなければ、次を変える。プロフィール文、右スワイプの癖、書き出し。
- 見るのは「話が続いたやりとり」が増えたかどうか。マッチ数は二の次。
- 4つ全部変えても数字が少ないままなら、それは変えられない半分が効いている。時間の一部を生活に戻す。サークル、運動、友達の集まり、街で気になる人がいたら声をかける。マッチングアプリは、人と知り合う道のひとつにすぎない。
1回に1つだけ変えるから、どれが効いたかわかる。全部一度に変えると、よくなっても何を残せばいいのかわからない。
右スワイプを絞った段階で、マッチ数はかえって減っている。でも、話が続いたやりとりは減っていない。だから見るのはやりとりで、マッチ数じゃない。
スワイプするのがうんざりしてきた、落ちこんできたなら、何週間か休んでもまったくかまわない。アプリは逃げないし、自分の生活のほうが大事。スワイプするほど空しくなる感覚がどこから来るのかは、マッチングアプリ疲れのときはを見てみて。オンラインの出会いについてはメッセージと誘い方のトピックページにまとめてある。
2週間に1回、10往復以上続いたやりとりがいくつあるかを見る
毎日アプリを開いてマッチ数を見て、その日の気分を決める
1回に1つだけ。1枚目の写真から
写真、プロフィール文、書き出しを全部一度に替えて、どれが効いたかわからない
このアプリで、この時期に、このプロフィールだと、数字はこうなる
「自分はだめなんだ」
セルフチェック:マッチ数の分解3問
1. 3か月スワイプしても、マッチがとても少ない。最初に見直すのは?
2. 右スワイプを絞ったら、マッチ数が減った。これはどういうこと?
3. 4つ全部変えても、数字が少ないまま。もっといいやり方は?
よくある質問
Tinderでマッチしないのは、表示を制限されているから?
アプリがどう表示しているかは、外からは推測しかできない。ネットにある表示制限の話の多くは確かめようがない。アルゴリズムを研究するより、写真、プロフィール文、右スワイプの癖、書き出しの4つ、確実に変えられることを先にやりきる。
有料会員や有料のブーストは効く?
お金を払えば、もっと多くの人に見てもらえる。でも見られるのは同じプロフィール。プロフィール自体に問題があるなら、お金を払っても、もっと多くの人に飛ばされるだけ。先にプロフィールを直して、それから払うかどうか決める。
マッチはたくさんするのに、話が続かない。どこが悪い?
たいてい2つのどちらか。右スワイプが広すぎて、本当は話したくない人とたくさんマッチしている。または、やりとりがずっと雑談のままで、一度も誘っていない。相手がずっと「笑」しか返さないなら、一度はっきり言う。話が弾んだら、そのまま会う約束をする。アプリの中で何週間も話しつづけない。
見た目がふつうでも、マッチングアプリをやる意味はある?
ある。マッチングアプリでパートナーに出会った人の大半は、もともと見た目がふつう。だって大半の人は見た目がふつうだから。写真がはっきりしている、プロフィール文が具体的、書き出しが返しやすい。これだけで出る差は、思っているより大きい。ただ、覚悟はしておく。アプリはいちばん第一印象がものを言う場所。強みが付き合い方にあるなら、本領を発揮できるのは会ってから。