ネットで言う「回避型の恋愛」は、たいてい愛着理論でいう回避型愛着のことです。関係が親密になると本能的に少し距離をとりたくなり、気持ちは自分の中で片づけるのに慣れていて、人にあまり頼りたがらない。相手の温度差は、この傾向から来ていることもあります。ただ、この関係が続くかどうかは、相手が「回避型かどうか」とはあまり関係がありません。見るのは、相手があなたにどれだけ惹かれているか、そして相手が引いたときにあなたが何をしたかです。
先に、よくある混同をひとつ整理しておきます。精神医学には「回避性パーソナリティ障害」という正式な診断名があります。批判や拒絶をとても怖がり、自分は不十分だと感じて人との関わりを避けるもので、専門家が評価するものです。恋愛で「近づかれると引きたくなる」のは愛着の傾向の話で、この2つは別物です。恋人にどちらかのレッテルを貼ることもおすすめしません。
回避の傾向は性別と関係がないので、ここでは「相手」と書きます。
恋愛での回避型愛着は、どんなふうに見える?
よくある場面をいくつか挙げます。
- 一緒に海の近くへ一泊して、すごく楽しかった。月曜から相手のメッセージが短くなり、聞くと「最近ちょっと仕事が多くて」と言う。
- 「うちの親が一度ごはんでもって言ってる」と伝えると、相手は「また考えとく」と返して話題を変える。
- あなたが落ち込んでいると、相手はあなたの好きなプリンを買ってきて、ドラマを1話一緒に見てくれる。でも「つらかったね」のひと言はなかなか出てこない。
- ケンカの途中で相手が「ちょっと頭を冷やしたい」と言い、部屋に入ってゲームを始める。
- 一緒に住むかどうかや、これからの話になると、相手は目に見えて固くなる。
こうした場面の多くは、関係が「近くなった」あとに起きます。付き合い始めた直後、家族に会う話が出たとき、すごく親密な週末を過ごしたあと。相手が大事に思っている気持ちの表し方にも注目します。回避の傾向がある人は、言葉より行動で示すことがよくあります。デスクライトを直してくれる、カードの引き落とし日を覚えていてくれる。口に出したものだけを数えていると、相手の気持ちを低く見積もりやすくなります。
なぜこうなる?
愛着の研究では一般に、回避の傾向は早い時期に学んだあることから来ることが多いと考えられています。人を必要とすると、がっかりする、あるいは面倒がられる。だから自分で片づけ、自分の欲求の音量を下げることを覚えます。心理学者のマリオ・ミクリンサーとフィリップ・シェイバーは愛着研究をまとめた論文の中で、この反射を「非活性化方略」と呼びました。話題を変える、自立を強調する、相手の欠点に目を向ける。音量を下げても、感覚そのものは残っています。心理学者のメアリー・ドジャーとロジャー・コバックは、大学生50人のインタビュー中の皮膚電気反応を測りました。愛着の欲求を小さくする癖が強い人ほど、拒絶された思い出について聞かれたときに、体の緊張反応がはっきり上がりました。口ではあっさり話していたのにです。
あなたが追うほど相手が遠ざかる理由も、ここから説明できます。あなたは早く答えがほしい。相手はのみ込まれそうに感じる。相手が遠ざかるほど、あなたは焦る。この追いかけっこのくり返しは、不安型と回避型の記事でくわしく分解しています。
温度差は、まずどのタイプかを見る
外から見ると、次の3つはどれも「相手に温度差がある」状態です。でも、やるべきことは違います。
| どれか | どう見えるか | あなたにできること |
|---|---|---|
| ひとりの時間に慣れている | 何日か冷めても、自分から戻ってくる。自分から誘ってくるし、あなたのことを覚えている | 相手が引いたら自分のことをして、戻ってきたらふつうに受ける |
| 気持ちが足りない | 自分から動くことが少ない。誘っても「また考えとく」だけで、冷めたら自分からは戻ってこない | これ以上上乗せしない。力を自分に戻し、必要なら手放す |
| キープされている | あなたが熱くなると相手は冷め、あなたが冷めるとまた寄ってくる。毎日話すのに会えない | あなたもずっと熱くなくていい。一度だけはっきり聞き、だめなら終わり |
本サイトの考えでは、すごく疲れる温度差の多くは、2つ目と3つ目にあてはまります。本当にあなたに惹かれている人は、回避の傾向があっても、あなたを完全に避けることはありません。しばらく冷めたあと、自分からあなたを探しに戻ってきます。完全に避けて、どう誘っても出てこないなら、たいていは気持ちが足りないだけで、愛着のタイプとはあまり関係がありません。
ひと言で、理由は聞きません。相手が戻ってきてもこなくても、あなたはいつもどおり過ごします。そうすると、相手がどのタイプかも見えてきます。
3通とも追いかけています。相手はひと息つきたかっただけなのに、なだめる相手がひとり増えました。
回避型についてのよくある3つの誤解
誤解1:回避型の人は人を愛せない。愛せます。惹かれているときはちゃんと近づいてきます。近づきすぎたときに少し引きたくなるだけです。研究でいう回避の傾向は1本の連続した軸で、気持ちがあるかないかとは別の話です。
誤解2:追えば追うほど、大事に思っていることが伝わる。誰に対しても、追えば追うほど相手は遠ざかります。回避の傾向がある人ではそれがもっとはっきり出ます。あなたが量を増やすと、相手の警報はさらに大きく鳴ります。
誤解3:忍耐さえあれば、何でも譲れる。相手の温度差に合わせて自分の生活をどんどん小さくしていくと、相手はあなたをますます軽く扱うようになります。相手が冷めているとき、あなたがずっと熱くしている必要はありません。相手が戻ってきたら、また温かく返せばいいのです。
回避型寄りの人と付き合うとき、あなたにできること
- 相手が引いたら追わない。「わかった」とひと言返して、自分のことをします。理由も、いつまでかも聞きません。
- 意地になって冷たく返すこともしない。ふつうにそこにいて、2、3日したら軽いメッセージを1通送ります。送ったら返事は待ちません。
- 相手が近づいてきたら、温かく返す。楽しく会って、昔の話は蒸し返さず、ここ数日のもやもやをまとめてぶつけることもしません。
- 自分のペースを守る。友だち、趣味、週末の予定を、相手がひとりになりたいからと止める必要はありません。相手が急にべったりしてきたからと全部断る必要もありません。2人ともそれぞれの生活があるから、会ったときに話すことがあります。
- 1回で決めず、3か月を見る。冷めたあと自分から戻ってくるか、自分から誘ってくるか、あなたのことを覚えているか。1回大きく引いただけでは何もわかりません。3か月の様子を見れば見えてきます。
- ずっと冷たい、どんどん冷たくなるなら、手放す。そこまで来たら、相手が何型かはもう関係ありません。
「わかった 落ち着いたら連絡して」
「もう私のこと好きじゃないの?」
いつもどおり過ごし、3日目に軽いメッセージを1通
5通続けて「どうしたの?」と送る
ふつうに受けて、楽しく会う
ここ数日のもやもやをすぐ全部ぶつける
落ち着いてそこにいる、相手の温度差に振り回されない。落ち着いた強さのレッスンで練習するのはこれです。相手がはっきり「距離がほしい」と言ってきたなら、恋人に距離を置きたいと言われたらを読んでみてください。ふつうの浮き沈みとわざとの温度差を見分けるなら、温度差の無料レッスンにいろいろな場面の練習があります。
自分が回避寄りのほうだったら
引きたくなったら、引いてかまいません。ひと言伝えれば十分です。「今週は忙しいから、週末に連絡する。」そして週末に本当に連絡します。
気をつけたいのは、別の引き方です。誰かを好きになりそうになると、急いで別の人といい感じになる。2人目とも本気になりかけたら、また3人目を探す。自由に見えて、実際は深く関わることから逃げています。続けるほど疲れて、自分が誰を好きなのかもわからなくなります。たまには、ひとりの人をちゃんと好きになってみてください。怖がらなくて大丈夫です。
2人がそれぞれどちら寄りかを知りたいなら、愛着スタイル診断をやってみるか、愛着スタイルのインタラクティブなレッスンでいろいろな場面を見てみてください。4つのタイプのくわしい説明は愛着理論とはにあります。恋人との付き合い方の記事は、恋愛関係のトピックにまとめています。
セルフチェック:見分けられるか3問
1. すごく楽しい週末を過ごしたあと、月曜から相手のメッセージが短くなった。どうする?
2. 3か月たっても、相手は自分からほとんど連絡してこない。誘っても「また考えとく」が多い。考えられるのは?
3. 相手が何日か冷めたあと、急に熱心に誘ってきた。どうする?
よくある質問
回避型愛着は変わる?
変わります。ただし、本人が変わりたいと思っていることが前提です。愛着の傾向は大人になってからも経験によって動き、安定した関係、自分への気づき、カウンセリングが助けになります。あなたが代わりにやってあげることはできません。あなたにできるのは、追わない、迫らない、あなたのそばでは相手がのみ込まれる心配をずっとしなくて済むようにすることです。
回避型の人は、別れたあと戻ってくる?
戻ってくる人もいます。あなたが追わなくなったあとのことが多いです。別れたあとにあなたがいつもどおり暮らしていると、相手のプレッシャーが消えて、かえってあなたのよさを思い出します。相手が戻ってきたら、すぐにOKせず、先に自分の条件をはっきり伝えます。どう受けるかは別れたあとの連絡断ちは効く?に書いています。
相手が回避型なのか、そもそも好かれていないのか、どう見分ける?
冷めたあとの行動を見ます。回避寄りの人は、引いたあともたいてい自分から戻ってきて、自分から誘ってきます。興味がない人は、自分から動くことが少なく、誘っても日程を出さず、冷めたら戻ってきません。あなたが何日か追うのをやめてみると、たいてい答えが出ます。
相手に「あなたは回避型だよ」と言うのは効く?
たいてい効きません。レッテルを貼られた人は言い返すのに忙しくなり、話はそのレッテルが合っているかどうかの言い合いになります。あなたが相手を診断する必要もありません。相手が何をしたかを見て、続けるかどうかを決めれば十分です。