不安型愛着は、親密な関係でとても確かさを必要とし、見捨てられることを強く恐れるために、ほんの少しの距離にも敏感になる傾向です。英語では anxious attachment、研究では anxious-preoccupied attachment とも呼ばれ、測っているのは「愛着不安」、つまり拒まれること、置いていかれることをどれくらい心配しているかです。診断名ではありませんし、性格の欠点でもありません。ほとんどの人に少しはあって、ある人はある関係でそれが特にはっきり出る、というだけです。相手が変わったり、関係が落ち着いたりすれば、強さも変わります。
愛着理論がどこから来たのか、4つのタイプをどう分けるのかは、先に愛着スタイルとはを読んでおくとわかりやすいです。
不安型愛着は恋愛でどう出る?
同じ人でも、3つの場面でこんなふうになります。
LINE のとき。相手はいつも長文で返してくるのに、今日は「おけ笑」だけ。その3文字を見つめて、トークをさかのぼり、自分が何か変なことを言ったか探しはじめます。長い文を打っては消し、また打っては消す。最後に送るのは、軽い一言です。
打っては消して、また打つ。本当に待っているのは「ううん、忙しいだけ」という一言です。
デートのあと。デートはとても楽しくて、終電ぎりぎりまで話していました。それなのに帰りの電車で、もう心配が始まります。自分はしゃべりすぎた?次はある?家に着いてすぐ「今日楽しかった」と送り、そのあとずっと既読を見ています。
ケンカのあと。相手が「ちょっと頭冷やしたい。明日話そう」と言います。耳に残るのは「離れたい」だけで、「明日話そう」の半分は入ってきません。だからメッセージを送りつづけて、話を今日のうちに終わらせようとします。宙ぶらりんのままでいるのが、ケンカそのものよりつらいからです。
どの反応も、根っこは同じです。距離を感じた瞬間に心の警報が鳴って、しかも実際の状況よりずっと大きな音で鳴っています。
不安型愛着の特徴
よくある形を並べます。いくつか当てはまっても、それで「不安型だ」と決まるわけではありません。ある関係で、こちら寄りになりやすいという意味です。
- 返信が少し遅い、口調が少し冷たいだけで、あれこれ考えてしまう。
- 「まだいるよ」「まだ好きだよ」という確認がほしくて、その効果は長く続かない。
- 関係のいい時間を楽しみにくい。終わることをずっと心配している。
- あいまいなサインを悪い知らせとして読みやすい。たとえば絵文字のない「うん」。
- 相手に離れてほしくなくて、自分の希望を先に飲みこむ。
- 相手がひとりの時間をほしがると、押しのけられたように感じる。
- 不安になると何かしたくなる。もう1通送る、オンラインかどうか見る、相手の SNS をのぞく。
自分がどのタイプ寄りかをもっと全体で見たいなら、愛着スタイル診断か、インタラクティブ版の愛着テストを使ってみてください。
不安型愛着はどこから来る?
原因がひとつだけということはまれで、研究ではいくつかの要因が重なって働くという見方が有力です。
幼いころ、世話があったりなかったりした。心理学者のメアリー・エインスワースは、1歳の子どもを母親と短時間離し、再会させて様子を見る観察法をつくりました。彼女とその後の研究者たちは、世話をする人がとても温かいときと反応しないときがある子どもほど、不安のパターンを持ちやすいことを見つけています。なぐさめがいつ来るかわからないから、注意を最大にして確認しつづけるわけです。親がひどかったという意味ではありません。多くの場合、親も忙しかったり疲れていたり、自分の事情を抱えていたりしただけです。
その後の恋愛経験。浮気された、長く付き合ったあと突然ふられた、温度差の激しい接し方をされた。こうした経験で警報は敏感になります。一種の学習で、傷ついた場所ほど用心深くなります。
いまの関係そのもの。ここは見落とされがちです。言ったことを守り、安定して返事をくれる人と一緒にいると、不安寄りの人もかなり落ち着くことがよくあります。温度差の激しい人と一緒にいると、もともと落ち着いていた人でもスマホを何度も見るようになります。心理学者のヒメナ・アリアガらは関連研究をまとめて、大人の愛着の多くは親密な関係の中で一緒に育っていくものだと考えています。パートナーの反応で自分に自信が持てるようになると、愛着不安は少しずつ下がっていく。だから、あなたが不安になりすぎているというより、この関係がもともと不確かだという場合もあります。ふつうの気持ちの浮き沈みと、わざとの温度差をどう見分けるかは、温度差を見分ける無料レッスンで練習できます。
生まれつきの敏感さ。生まれつき気持ちや環境の変化に敏感で、警報が鳴りやすい人もいます。ただ、それですべてが決まるわけではありません。
愛着研究者のマリオ・ミクリンサーとフィリップ・シェーバーは、不安型のこの反応を「過活性化」と呼んでいます。注意をずっと最大にして、あいまいな手がかりを危険と読み、なんとか距離を縮めようとする。もとは身を守るためのしくみですが、大人の恋愛では守りすぎになりやすいのです。
同じ出来事に、不安寄りの人と落ち着いた人はどう反応する?
| 状況 | 不安寄りの反応 | 落ち着いた反応 |
|---|---|---|
| 相手から3時間返信がない | トークを見返す、ログイン時間を確認する、いくつも可能性を考える | 「忙しいんだろう」と思って、自分のことを続ける |
| 相手が週末はひとりで家にいたいと言う | 押しのけられたと感じ、自分が何かしたか考えはじめる | 「いいよ」と言って、自分の週末の予定を立てる |
| 初デートのあと、相手が次の話をしなかった | その夜のうちに相手の気持ちを確かめるメッセージを送りたくなる | 翌日ふつうに1通送って、相手の返し方を見る |
| 相手が知らない同僚の名前を出した | 名前を覚えて、その後ずっと気にする | 聞き流す。具体的な何かが起きたときだけ気にする |
| ケンカのあと、相手が頭を冷やしたいと言う | メッセージを送りつづけ、すぐに話を終わらせようとする | 「わかった、明日話そう」と返す。心の中ではつらくても |
右の列の人も、同じように相手を大事に思っていて、同じように不安になります。違うのは、その不安がそのまま行動にならないことです。
不安型愛着についての3つの誤解
自分が不安型寄りだとわかったら、まずこの3つ
気づいたら、次の3つから始めてみてください。
- 警報が鳴ったら、名前で呼ぶ。心の中で「これは自分の警報で、まだ事実じゃない」と言います。それだけで、衝動と行動のあいだに数秒が生まれます。
- 自分の焦りに気づく。今すぐ送りたい、今すぐ聞きたい、今すぐはっきりさせたい。そう感じるときが、警報がいちばん大きく鳴っているときです。焦りそのものがサインで、無料レッスン焦りは弱いサインでは、こういう瞬間に気づく練習をします。
- 相手を試さない。不安を相手に預けない。「好きにすれば」と投げて相手がなだめてくれるのを待つのも、何度も保証を求めるのもやめて、短く一言返したら自分のことをします。このサイトの考え方では、確認ばかり求める人は、相手の目にだんだん軽く映っていきます。自分で落ち着いていられるほど、相手は近づきたくなります。
問いつめない、時間の約束も求めない。自分のことをしていれば、相手は落ち着いたら戻ってきます。
長い目で見ると、不安の根っこには「自分には選択肢がない」という感覚があることが多いです。生活がひとりの人を中心に回っていると、相手の返信が一晩遅れるだけで世界が終わるように感じます。友達、仕事、運動を取り戻して、もっといろんな人と知り合う。手の中にあるものが増えるほど、警報は小さくなります。具体的なやり方は不安型愛着を和らげる方法にあります。
もっと練習したいなら、恋愛で不安になるときの対処法に5つの具体的なやり方をまとめています。愛着スタイルの全体像と練習は愛着スタイルのインタラクティブレッスンで。関連記事は恋愛関係のトピックページにまとめています。
セルフチェック:警報に気づけるか3問
1. 相手の返信が「おけ笑」だけで、30分トークを見返していた。これは何?
2. ケンカのあと、相手が「頭冷やしたい、明日話そう」と言った。いい返し方は?
3. 言ったことを守り、安定して返事をくれる人と付き合ってから、警報があまり鳴らなくなった。これが示すのは?
よくある質問
不安型愛着は治る?
ゆるくなっていきます。愛着の傾向は動くもので、安定した関係、自分の反応への気づき、カウンセリングは、少しずつ安定型の方向へ動く助けになります。別人になる必要がない人も多いです。警報はまだあっても、それに振り回されにくくなります。
不安型愛着は親のせい?
そうとは限りません。幼いころの経験は影響しますが、その後の恋愛、人生の大きな出来事、生まれつきの敏感さ、いまの関係が安定しているかどうかも影響します。誰のせいかを探すより、いまできることを見るほうが役に立ちます。
不安型愛着の人に合う相手は?
相手が「何型か」より、行動を見てください。言ったことを守る、自分の状況を自分から説明する、ケンカのあと話し合いに戻ってくる。こういう安定があると、警報は少しずつ小さくなります。最初は刺激が少なく感じるかもしれませんが、長い目で見るとずっと楽です。
不安型愛着と不安症は同じ?
違います。不安型愛着は、親密な関係で近さと距離にどう向き合うかを表す言葉で、診断名ではありません。不安症は医療の診断で、影響は恋愛以外にも広がるのがふつうです。両方が同時にあることもあります。不安が生活のいろいろな面に影響しているなら、専門家に相談してみてください。