3月、会社の飲み会。「だいたい何時に帰るか連絡くれない?」「子どもじゃないんだから。」6月、友だちの誕生日会。同じやりとりに「いつもそうだよね」がひとつ増える。9月、また会社の飲み会。片方がまだ家を出てないうちに、もう片方が先に言う。「今回はちゃんと連絡してね。」空気が固まる。同じことで何度もケンカするって、こういう感じ。
言い争ってるのは立場で、最後には性格の言い争いになる。次もまた同じひとことから始まる。
二人も同じことで何度もケンカしてるなら、先に結論を言っておく。これはたいてい二人が頑張ってるかどうかとは関係ないし、二人が合わないという意味でもない。何度もくり返すケンカの多くがぶつかってるのは「長く続く違い」で、「まだ解決してない問題」とは別物。このことについて、二人がもともと違うものをほしがってる。こういう衝突は勝ち負けがつきにくい。どっちも間違ってないから。
もっと役に立つのは、どっちが正しいかを争うのをやめて、その下にあるそれぞれの必要を見つけて、二人ともやっていける段取りを話し合うこと。
なぜいつも同じことでケンカする?もともと消えない問題もある
カップルの関係を何十年も研究してきたジョン・ゴットマンは、恋人どうしの衝突を2つに分けてる。ひとつは解決できるもの。一度話して、少し変えれば終わる。もうひとつは長く続く問題で、二人の性格、習慣、必要の根本的な違いから来ていて、ずっと残る。彼の研究によると、カップルの衝突のおよそ3分の2は後者。
この数字は絶望的に聞こえるけど、見方を変えるといい知らせでもある。関係が安定してるカップルにも、こういう長く続く問題は同じようにある。違うのは、それとの付き合い方を身につけてること。話題に出せるし、話すときは好奇心やユーモアさえ持っていて、毎回同じ行き止まりにはまらない。
だから、違いを消そうとしなくていい。一人の時間が必要な人は、一回ケンカに勝ったくらいでにぎやかなのが好きにはならない。10分前に着くのが習慣の人も、「細かすぎ」と言われたくらいで気楽にはならない。お互いの性格は変わらない。二人が変えられるのは、この違いへの向き合い方のほう。
同じことで何度もケンカする、よくあるパターン
表面では小さなことで言い争ってても、その下ではたいてい、どっちももっともな必要が2つぶつかってる。
| 表面で言い争ってること | 片方が必要としてるかもしれないもの | もう片方が必要としてるかもしれないもの |
|---|---|---|
| 出かけたら無事の連絡をするか | 安心。夜中に何かあったか心配したくない | 信頼されること。報告させられる人にされたくない |
| 家をどれくらい片づけるか | 秩序。帰ってきて落ち着けるように | 気楽さ。家をモデルルームみたいに保たなくていい |
| 週末に実家へごはんを食べに帰るか | 家族への責任と親孝行 | 二人だけの時間 |
| 10分遅れは遅刻か | 尊重されること、気にかけてもらうこと | 気ままさ。何でも時間に追われたくない |
| お金は貯める?使う? | 安心感。口座に余裕がほしい | 今を楽しむこと。頑張って働くのは暮らすため |
この表を見ると、右の2列に悪者はひとりもいない。安心したいのは間違ってないし、信頼されたいのも間違ってない。終わらないのは、二人ともそれぞれもっともなものを守ってて、相手を脅威として見てるから。
終わらない理由:勝ち負けを争ってて、解決しようとしてない
くり返すケンカには、たいてい決まった台本がある。片方が持ち出して、もう片方が守る。片方が前回の例を出して、もう片方が相手の欠点を出す。声が大きくなって、最後に誰かがドアを閉めるか無視が始まって、うやむやに終わる。次はまた同じひとことから始まって、同じ台本をもう一度演じる。
行きづまってるところは3つ。
立場で言い争ってて、必要を口にしてない。「連絡してよ」「したくない」は2つの立場で、どっちかが勝ってどっちかが負けるしかない。「12時になっても連絡がないと、何かあったのかと考えはじめる」「報告しろと言われると、子ども扱いされてる気がする」は2つの必要で、一緒に方法を考えられる。
変えようとしてるのが相手という人そのもの。「そっちが管理しすぎ」「そっちが気にしなさすぎ」。ケンカが性格の話になったとたん、相手は自分が誰なのかを守るしかなくなって、譲れなくなる。
ケンカの途中で、体がもう戦闘モードに入ってる。心臓がバクバクして顔が熱いとき、人は相手が何を言ってるかまったく耳に入らなくて、次に言い返す言葉を探すだけになる。ここでケンカを続けても、台本をもっとうまく演じられるようになるだけ。
よくある誤解:同じことでケンカするのは、合わないから?
どう止める?「どっちが正しいか」を「どうするか」に変える
- ケンカしてない時間を選ぶ。飲み会の当日の夜、ドアを閉めた直後には話さない。落ち着いた週末を選んで、最初にはっきり言う。「帰りの連絡のことを話したい。ケンカしたいわけじゃない。二人とも楽なやり方を見つけたい。」
- 立場の前に、その下にある必要をそれぞれ言う。交代で話して、一人が話してるときはもう一人は聞くだけ。「12時になっても連絡がないと、何かあったのかと考えはじめる」「報告しろと言われると、子ども扱いされてる気がする」。必要の話になると、相手は耳を傾けやすくなる。
- 相手の必要はもっともだと認める。相手のやり方に賛成しなくていい。でも、こう言える。「なんで心配になるかはわかる。」意見が違うときはそれぞれの意見のままでいて、説得もしないし押さえつけもしない。それが違いを認めて共通点を探すのレッスンで練習してること。
- 具体的で試せるやり方を話し合う。「これからはもっとわかって」はぼんやりしすぎ。「飲み会が11時を過ぎたらスタンプをひとつ送る。何してるかの説明はいらない」くらいまで具体的にする。二人とも何をすればいいかわかるところまで具体的に。愚痴を次の一歩に変える練習は、問題を解決する力のレッスンにもっとある。
- どれくらい試して、いつ振り返るかを決める。「まず1か月やってみて、月末にごはん食べながらどうだったか話そう。」やり方は変えていい。契約みたいに扱わなくていい。
相手がずっと変えてほしがってるのが、あなたという人なら
くり返すケンカの中には、もともとのあなたそのものが争点になってるものもある。友だちが多すぎる、週末にフットサルに行く、言い方がストレートすぎる、服の好み。相手が毎回そこを突いてきて、突かれすぎて自分のほうがおかしいのかと思いはじめる。
私たちの考えはこう。ひとつの関係のために、自分を別人に変えなくていい。相手のためにずっと変え続けると、最後には相手が最初にときめいた人までいなくなって、相手はかえってもっと不満になる。一度、落ち着いて言えばいい。「これが自分。変えない。」相手が受け入れるなら続ける。相手が条件をつけて、どうしても変えないと続けないと言うなら、それもひとつの答えで、離れていい。
これは成長を拒むこととは別の話。相手が指摘してるのが具体的に間違ったこと、たとえば約束したことをやらなかった、人を傷つける言い方をした、なら直す。相手が取りかえたがってるのがあなたの生き方や性格なら、変えなくていい。
全体を通して、ひとつの境目を覚えておいて。相手がどんな人かは、あなたが決めることじゃない。あなたにできるのは、自分の必要をはっきり言って、お願いをひとつ出して、相手がどう返すかを見ること。無料レッスンの課題を分けるが扱ってるのがまさにこれ。
話してる途中でまたケンカになったら、いったん止める。「熱くなりすぎた。20分後にまた話そう」と言って、本当に戻ってくる。止め方を無視に変えないやり方は、距離を置きたいと言われたらに書いた。愚痴を相手に伝わるお願いに言いかえたいなら、カップルの話し合い方を見て。ずっとお金のことでケンカしてるなら、カップルのお金の話し方に切り出す順番がある。
どこからが「違い」を超えていて、止めるべきか
ここまでの長く続く問題は、二人とも尊重されてることが前提。次のことは「付き合い方を身につける」範囲に入らない。
- ケンカのたびに誰かが怒鳴られる、見下される、白い目で鼻で笑われる。
- 片方が無視やブロックでもう片方を罰して、毎回相手が頭を下げるまで終わらない。
- ずっと言い争ってるのが、同じうそ、同じ隠してる関係。
- 誰かが物を投げる、人を押す、ドアの前に立ちふさがって出ていかせない。
ここまで来ると性格の違いを超えてて、傷つけること。健全な恋愛関係の特徴のリストと照らし合わせるか、PUA的な操作を受けているサインでセルフチェックしてみて。体への暴力や脅しがもう出てるなら、まず自分の安全を優先して。DV相談+(0120-279-889、24時間)やDV相談ナビ(#8008)に相談できる。誰かに話を聞いてほしいときは、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間)がある。危険が迫ってるときは110番。
関係の中での付き合い方の悩みは、恋人との関係のトピックページにまとめてある。
セルフチェック:立場で行きづまってるか、必要の話ができてるか3問
1. 「連絡してよ」「したくない」。この2つは?
2. 話してる途中でまたケンカになった。よりいいのは?
3. 「違いと付き合っていく」範囲をもう超えてるのはどれ?
よくある質問
なぜカップルはいつも同じことでケンカする?
たいていは、そのことが二人の長く続く違いに触れてるから。たとえば安心、自由、片づけ、家族について、必要なものが違う。違いは一回ケンカしたくらいでは消えないから、似た場面になるたびに、同じケンカがまた始まる。
ケンカしても結論が出ないときは?
まず「どっちが正しいか」を追いかけるのをやめる。代わりにそれぞれその下にある必要を言って、1か月試せる具体的なやり方を話し合う。結論はどっちかが譲ることとは限らない。二人ともやっていける段取りでいい。
同じことでケンカを繰り返すなら、別れたほうがいい?
そうとは限らない。何でケンカするかより、どうケンカするか、ケンカのあと仲直りできるかを見たほうがいい。毎回、見下す、脅す、傷つけることがついてくるなら、もう違いだけの問題じゃないから、この関係について真剣に考えたほうがいい。
ケンカのとき、先に頭を冷やしたほうがいい?
冷やしたほうがいい。でも、いつ戻って話すかは決めておく。頭を冷やすのは二人ともちゃんと話せるようにするため。沈黙を、相手に先に折れさせる道具にしない。「20分ほしい」と言って、本当に戻ってくる。