自信をつけるにはどうすればいいのか。まず、あまり聞きたくない答えを言っておく。自信がある人も緊張するし、手のひらにも汗をかく。ただ、緊張は緊張として、口を開くべきときには開く。デートが計画どおりにいかなくても、家に帰って自分という人間がまるごと失敗だとは思わない。
ネットの「自信のテクニック」の多くは、無理をすることを教えてる。心の中はパニックなのに顔では余裕を装って、緊張していることを相手に絶対に見抜かれるな、と。そのとおりにやると、「余裕がある自分」を必死に演じる人になりがちで、自分は演じ疲れるし、相手もどこか変だと感じる。背筋を伸ばす、少し大きな声で話す、人の目を見る。こういう動きは練習が必要だけど、普段から毎日練習して、習慣になるまでやるものだ。デートの1時間だけ無理をしても、5分でぼろが出る。
この記事で話すのは、演じなくていい自信のことだ。
本物の自信と演じた自信は、何が違うのか
うまくいってるときは、2つはほとんど同じに見える。違いがわかるのは、つまずいたときだ。
| 場面 | 演じた自信 | 本物の自信 |
|---|---|---|
| 軽くいじられた | 絶対に言い返して取り返す | 笑って流す。ネタがあれば乗る |
| 会話が止まった | 慌てて話題を探すか、無理にクールを装う | 少し止まる。話がなくても怖くない |
| 断られた | 相手に見る目がないと言うか、一晩中自分を責める | がっかりはするけど、自分がひどい人間だとは思わない |
| 自分より条件のいい人に会った | 比べ始めるか、なんとか上に立とうとする | 話すべきことは話す。ずっと比べたりしない |
| 知らないことを聞かれた | 知ったかぶりをする | 「それはわからない。教えて」 |
| 店員さんへの接し方 | 気分しだい | ほかの人に接するのと同じ |
演じた自信の多くは、比べることで支えられてる。車が人よりいい、給料が人より高い、背が人より高い。これは順位戦型の自信と呼ばれていて、上位にいるときは自信満々だけど、もっと条件のいい人に会うとしぼんでしまう。もうひとつは、人を押さえつけないと安心できないタイプだ。人の話をさえぎる、人をけなす、心の中はパニックなのにわざと冷たくふるまう。正直に言うと、人を押さえつけないと立っていられないなら、心の中は実はすかすかだということだ。この2つは、演じる自信の無料レッスンで場面をもっと比べられる。
本物の自信はもっと静かだ。相手が笑うかどうか、返信が温かいかどうかは気にするけど、それで自分まるごとが上がったり下がったりはしない。
なぜデートになると緊張するのか。相手を審査員にしているから
友達とは普通に話せるのに、デートになると、好きな人と話すことを考えただけで、まるごと固まってしまう人は多い。よくある原因は、心の中でこっそり相手を審査員にしていることだ。相手が笑ったら加点された気がして、返事がそっけなかったら不合格をつけられた気がする。
夕食1回が試験みたいになって、しかも試されてるのは自分という人間だ。体がこわばるのも当然だ。
考え方を変えると少し楽になる。相手が自分を好きかどうかは、相手の気持ちで、相手の選択だ。自分が好かれるに値するかどうかは、夕食1回では決まらない。気にするのはもちろんいい。ただ、自分への評価を全部、ひとりの人のひと晩の反応に賭けないこと。これがよく言われる結果に左右されないということだ。
もうひとつ、少し楽になれることがある。自分では緊張が全部顔に出てると思っていても、人には実はそれほど見えていない。コーネル大学のギロビッチらは、これを「透明性の錯覚」と呼んでる。彼らの実験では、うそをついた人は簡単に見破られると思っていたし、気持ち悪さを顔に出さないようにした人は自分の表情がばれていると思っていたけど、周りの人にはそこまで見えていなかった。その後サビツキーとギロビッチは、人前で即興のスピーチをしてもらう実験で、一方のグループにだけ、壇上に上がる前にこの錯覚のことを説明した。このグループは、自分のスピーチがよかった、落ち着いて見えたと感じていて、聞いていた人からの評価も高かった。
緊張していい:変に聞こえるけど、すごく効く
緊張すると、多くの人は自分に「緊張するな、緊張したら負けだ」と言い聞かせる。するとかえってプレッシャーが一枚増える。もともとはただ怖いだけだったのに、怖がる自分を責める気持ちまで加わる。自分と言い争いながら口を開こうとしたら、もっとぎこちなくなるのは当然だ。
これはただの気休めじゃない。不安や気分の落ち込みに悩む人に、同じつらい映画の場面を見てもらった実験がある。一方のグループは「感情を押さえ込む」ように教わり、もう一方は「感情をそのままにしておいて、追い払わなくていい」と教わった。見ているあいだのつらさはどちらも同じだったけど、感情をそのままにしたグループは見たあとの回復が早く、押さえ込んだグループはむしろ心拍が上がっていた。
ハーバード・ビジネス・スクールのアリソン・ウッド・ブルックスも一連の実験をしてる。人前でのスピーチ、カラオケ、数学のテストの前に「わくわくしてる」と一言言ってもらうと、自分を落ち着かせようとした人より成績がよかった。緊張とわくわくは体の中の反応がよく似ていて、どちらも心臓が速くなって手のひらに汗をかく。違いは、たいていそれをどう受け取るかだけだ。
だから次に心臓がバクバクしたら、自分にかける言葉を変える。「今緊張してる。それは普通のこと。それでもあの一言は言う」。緊張していいというのは、怖いのは怖いままで、目の前の一歩はそのままやるということだ。緊張していいの無料レッスンで練習するのはこれだ。
本当に見抜かれたら?そのまま言えばいい。「初めて会うから、すごく緊張してる」。この一言で減点する人はめったにいないし、空気が少しゆるむことも多い。相手もたぶん緊張してるからだ。家を出る前からさよならまで、緊張とどう付き合うかは初デートで緊張するときはを見てほしい。
「ふりをしていれば本物になる」は正しい?半分だけ
英語に fake it till you make it という言葉がある。まず自信があるふりをすれば、続けているうちに本物になる、という意味だ。この言葉は半分しか正しくない。自信があるふりは効く?にもっとくわしい分け方がある。
正しい半分はこうだ。先にやってみて、気持ちがあとからついてくることは多い。「気持ちが整う」まで待たなくていい。最初の一言を言って、そこから少しずつリラックスしていくことが多い。まったく怖くなくなるまで待っていたら、相手はとっくにいなくなってる。この順番は動いてから、調子が出てくるのレッスンで練習できる。
間違った半分はこうだ。自分じゃない人を演じること。普段は穏やかに話すのに、デートでは無理に強気を装う。お酒は飲まないのに、ウイスキーを頼んで大人ぶる。こういう演技は普段の自分と合わないから、相手は変だと感じやすいし、自分も長くはもたない。一度疑われたり、一度断られたりしたら、ぼろが出る。
どう見分けるか。自分に聞く。これは怖いけど本当はやりたいことなのか、それともそもそも自分がやりそうにないことなのか。前者ならやればいい。後者は演技だ。
見た目も同じだ。髪を整える、服を清潔でサイズの合ったものにする。これはすぐ変えられるし、人がもう少し話してみようと思うかどうかに本当に影響する。ノーと言える、急いで機嫌をとらない、断られてもちゃんとさよならを言える。こちらは変わるのが遅いけど、人がそのあとあなたをどう扱うかは、主にこっちで決まる。両方大事だ。新しい服を買っても、断られるのが怖い気持ちはそのまま残る。外側はすぐ変わる、内側はゆっくり変わるのレッスンに例がもっとある。
毎日できる自信の練習
自信は、一度の大きな挑戦で身につくことはめったにない。ジムに通うのに似ていて、毎回少しずつ重さを足していく。
- 1日1回、自分の好みを言う。「ラーメンがいい。鍋の気分じゃない」。小さなことに聞こえるけど、これすら「なんでもいい」と言うのが癖になってる人は多い。何にでも「なんでもいい」と言ってるなら、恋愛で相手に合わせすぎる人へを読むと身に覚えがあると思う。
食べたいものをそのまま言う。相手が食べたくなければ自然にそう言うし、先に言えば相手も推測しなくて済む。
気楽な人に見えるけど、実際には決めることを全部相手に投げてる。自信がない人が最初につまずくのは、たいていこういう小さなことだ。
- 週に1回、断られるかもしれない小さなお願いをする。店員さんに窓際の席に移れるか聞く、同僚についでにお昼を買ってきてもらえるか聞く。断られても何も起きない。何回かやると、「ノー」を聞くのが思ったほどつらくないと気づく。この練習を曝露練習と呼ぶ。
- 一定の期間、ひとつのことだけ練習する。今週は話すときに一拍置くことだけ。来週は相手を見ながら一文を言い切ることだけ。5つ同時に変えようとすると、もっとぎこちなくなる。
- やったら3行書く。何をしたか、相手がどう反応したか、次はどこを変えたいか。事実だけ書いて、「自分はだめだ」とは書かない。これが簡単な振り返りだ。
- 生活の中に自分のものを持つ。趣味、友達、うまくやりたいこと、全部入る。普段の生活が埋まっていれば、1回のデートにすべての期待を乗せずに済む。
これを新しい人と知り合うのに使いたいなら、続けて声のかけ方の基本を読んでほしい。心の持ち方に関するほかの記事は、全部マインドセットのページにある。
セルフチェック:本物の自信と演技を見分ける3問
1. デート中、知らない話題について聞かれた。いちばん自信のある反応は?
2. 話しかける前に心臓がバクバクしている。自分にかける言葉でいちばん効くのは?
3. 「演じた自信」はどれ?
よくある質問
自信って本当に練習でつく?
つく。ただ、すごくゆっくりで、すごく退屈だ。「怖かったけどやった、そして結果も別にどうってことなかった」を何度も繰り返して、回数が増えたときに、自分はできると少しずつ信じられるようになる。記事をどれだけ読んでも、やらなければ変わらない。
デートで緊張しているのが相手にばれたら?
問題ない。そのまま認めればいい。「初めて会うから、すごく緊張してる」。この一言を聞いて、たいていの人は誠実な人だと感じるだけだ。むしろマイナスになるのは、緊張を隠そうとしてやる変な動きだ。ずっとスマホをいじる、急に声が大きくなる、など。
自信がある人は、もっと積極的に動いていいし、いちいち相手に聞かなくていい?
そうだ。自信がある人は、たいてい言い切る形で話す。「土曜、あの展示に行こう」「この店よさそう。入ろう」。一歩ごとに「いいかな」「嫌じゃない?」と先に聞いたりしない。いちいち聞くのは、決めることを毎回相手に投げることになって、相手はかえって緊張する。見るのは相手の反応だ。相手がついてくる、笑って話に乗る、なら続ける。相手が迷っていたら、何が気になるのか一言聞くか、筋の通った理由をひとつ出す。相手が嫌だと言った、後ずさりした、帰ろうとした、ならやめる。「嫌だ」と言われても受け止められるのは、この1回で何かを証明する必要がないからだ。
人前での緊張がどれくらいになったら、専門家に相談するべき?
緊張のせいで長い間ほとんどの人付き合いの場を避けている、仕事や学校に影響が出ている、強い動悸や不眠がある。そうなら、自信だけの問題じゃないかもしれない。心療内科の医師やカウンセラーに相談してみてほしい。社交不安は治療できる。デートに関わる部分は、先に社交不安とデートを読んでほしい。