「まず自信があるふりをすればいい。続けていれば本物になる」
英語の fake it till you make it から来た言葉で、恋愛アドバイスではよく真理のように扱われてる。ここではまず、なぜこんなに多くの人が信じているのかを話して、どっちの半分が正しくてどっちの半分が事故のもとかを分けて、最後に長続きする練習のしかたを書く。男女どちらにも同じことが言える。
なぜこんなに多くの人が「まずふりから」を信じるのか
最初は本当に効く。緊張していても、読書会が終わったあとに思い切って「さっきの話、面白かった」と相手に言ってみたら、すごく話が弾んだ。家に帰って「ほら、ふりをすればいけるんだ」と思う。でも、うまくいったのは口を開いたからだ。
心理学が一部だけ後押ししてる。自己知覚理論という考え方がある。人は自分が何をしたかを見て、自分がどんな人間かを逆算する。話しかける行動を何回かやると、自分は話しかけられる人間だと思いやすくなる。曝露練習も同じで、怖いことを繰り返すと、たいていそれほど怖くなくなる。どちらも「まずやる」を支えていて、「まず演じる」を支えるものはひとつもない。
「パワーポーズ」が一時はやった。2010年、心理学者のダナ・カーニー、エイミー・カディ、アンディ・ヤップが話題になった研究を発表した。腰に手を当てて体を大きく広げる姿勢を1分ずつ2つとると、ホルモンが変わって、リスクをとれるようになるという内容だった。2015年、エヴァ・ラネヒルらがずっと多い人数でやり直したところ、ホルモンにもリスクのとり方にも差は見つからなかった。その後カーニー本人が、自分の大学の教員ページに声明を公開して、この効果が本物だとはもう信じていないと書いてる。残ったのはせいぜい、ポーズをとったあとに「少し力がわいた気がする」と言う人がいる、ということくらい。姿勢で支えた自信は、もともと浅い。
売っている人がいる。恋愛の速習講座の中には、まさにこれを売っているものが多い。決まったセリフを覚えれば、1週間で「自信がある人」になれる。でもセリフをどれだけ覚えても、相手がもう一歩突っ込んでくると続かない。
正しい半分:先にやれば、気持ちはあとからついてくる
この半分は残していい。自信を感じてからでないと口を開いちゃいけない、なんてことはない。自信はやったあとに出てくることが多い。「準備ができたら」人と知り合いに行こうとすると、たいていずっと行かないままになる。
違いは、何のふりをするかだ。動き、声、習慣は先にふりをしていい。緊張していても背筋を伸ばす、いつもより少し大きな声で話す、見られたら見返す。最初は無理やりでも、毎日やれば1か月後にはそれが普段の自分になってる。事実は作っちゃいけない。趣味、経験、仕事、乗っている車。作ったら、ずっと話を合わせ続けないといけない。緊張は本物でいい。「今すごく緊張してる」とそのまま言ってまったく問題ない。緊張との付き合い方は自然体の自信のつけ方にもっと書いてある。
自分をどこまで飾るかは、どれくらい積極的にいきたいかで決める。
- 慎重派:写真はありのまま。今の自分のままで、何も飾らない。
- もっと積極的に:写真は加工していい。きれいに見えるまで直していいけど、会ったときに写真と一致していること。動きや習慣は先にふりをして、自分のものになるまで続ける。
- 上級者:気持ちまで先にふりをする。心の中ではまだ怖くても、怖くない人のように動く。続けていれば、それが自分になる。
3つとも共通しているのは、事実はいい部分を選んで話してもいいけど、作ってはいけないということ。会ったときに相手にだまされたと思わせちゃいけない。
それでも話しかけて、「今すごく緊張してる」と一言言う。
余裕があるふりをして、笑顔がこわばったまま一晩中力が入っている。
「キャンプは1回しか行ったことないけど、また行きたい」
「毎月山に行ってる」。実は1回だけ。
「それはわからないな。教えて」
「そうそう」とうなずいて、もう聞かれないように祈る。
一度言ったらそこでやめる。ノーと言われたら「了解」と返す。
余裕のあるふりをして、断られたら長文で言い返す。
これは無料レッスンの動いてから、調子が出てくるで扱っていること。気分が完璧になるのを待たなくてよくて、失敗しても失うものが少ない場面を選んで、先にやる。調子はあとからついてくる。
間違った半分:キャラは3つの場面でばれる
キャラ設定のいちばんの問題は、ずっと支え続けないといけないことだ。次の3つの場面で、支え続けるコストが急に跳ね上がる。
場面1:本気の質問
マッチングアプリのプロフィールに「キャンプが大好きで、毎月山に行ってます」と書いた。実際は1回しか行ったことがない。2回目のデートで、相手の目が輝く。
本当のほうで話せば、むしろずっと話しやすい。「1回しか行ったことないけど、また行きたいんだ。よく山に行くの?」。初心者だと認めるほうが、詳しいふりをするより面白いし、ずっと楽だ。
場面2:ひとつの「ノー」
演じている自信は勝たないといけないから、断られたときに受け止められない。
さっきの余裕は演技だった。断られたあと、その下の焦りが出てきてる。
本物の自信でも「ノー」と言われれば同じようにがっかりする。でも自分は崩れない。「わかった、言ってくれてありがとう」と返して、いつもどおり過ごす。このふたつの反応がどう違うかは、無料レッスンの演じる自信でていねいに分解してるし、用語集の演じる自信にも比べる例がある。断られたあとの引き方は断られてつらいときはを見てほしい。
場面3:ひとつの約束
デートが2、3回なら、演じてもまだもつ。付き合い始めて毎日会うようになると、キャラは24時間出勤になる。何でも合わせられて、何も必要としない人を演じていたら、3か月後には心の中で貸し借りをつけ始める。相手は自分の気持ちをまったく気にしてくれない、と感じる。でもその気持ちを、一度も口に出したことはない。
付き合う前とあとで、同じ人でいること。デートのときのあなたが普段の生活に存在しないなら、それはキャラで、いつか破れる。相手は付き合ってから変わったと感じるけど、実際は元の自分に戻っただけだ。付き合ってから態度が変わったにそういう話がある。デートで一貫した自分でいるには、デートで自然体でいるとはを見てほしい。
| 場面 | 演じている人の反応 | 土台がある人の反応 |
|---|---|---|
| 突っ込まれる | もっと作るか、話をそらす | 本当のことを言って、質問を返す |
| 断られる | 平気なふりをして、あとで言い返すか崩れる | がっかりして、ありがとうと言い、いつもどおり過ごす |
| 約束が必要になる | 演じるほど疲れて、心の中で貸し借りをつけ始める | 必要なことを口に出して、相手に決めてもらう |
じゃあ何を練習する?小さくて正直な動き
長続きするやり方は、「誰かを演じる」を「本物の動きをひとつする」に置き換えることだ。本物の動きは支えなくていい。最初から自分のものだから。
- 本当の好みをひとつ言う。「ベトナム料理が食べたい」。小さいことだけど、これすら「どこでもいい」と言うのが癖になっている人は多い。
- わからないことをひとつ認める。「それはわからないな。教えて」。知ったかぶりは、場面1でいちばん捕まりやすい。
- 一度にひとつだけ練習する。今週は声を少し大きくすることだけ。相手に「え?」と言わせないように。来週は質問されたときに2秒考えてから答えることだけ。一度にたくさん変えようとすると、もっとぎこちなくなる。
- 断られるかもしれない小さなお願いをする。店でごはんを半分にしてもらう。隣の部署の同僚を仕事帰りのごはんに誘う。何回かノーと言われると、自分はちゃんと無事だと気づく。断られるのが怖いときはに、小さいところから始めるはしごがある。
- 反射的な謝罪をひとつ消す。メッセージの書き出しがいつも「お忙しいところすみません」の人は多い。本当に謝ることがないなら消して、言いたいことをそのまま書く。
この動きには共通点がある。積み重なるのは、全部自分自身の自信だということ。人の口調をまねる、自分にスローガンを叫び続ける、人に励ましてもらう。こういうのは1日2日は効いた感じがするけど、一晩寝るか一度断られると元に戻る。無料レッスンの本物の中身は崩れない、借り物はほどけるで、どれが借り物なのかを見分けられる。
練習してる?演じてる?3つの簡単チェック
- 相手に突っ込まれたら、本当の中身で答えられる?
- 相手にノーと言われても、今のままの自分でいられる?
- この関係が3か月目まで続いても、毎日こうしていたいと思える?
3つとも「はい」なら、練習してる。どれかが「いいえ」なら、そこが演じている部分だ。そこから本物に置き換えていけばいい。心の持ち方に関するほかの記事はマインドセットのページにまとめてある。
セルフチェック:練習か演技か3問
1. 初デートですごく緊張してる。いちばん長続きするのは?
2. プロフィールに書いた趣味について聞かれた。実は1回しかやったことがない。いちばんいい返し方は?
3. 「先にやる」はどれ?
よくある質問
自信があるふりはばれる?
短い時間ならばれないこともある。でも長くは続かない。いちばんばれやすいのは前後の食い違いだ。自分は合わせ上手だと言っていたのに、断られたらすごく感情的になる。詳しいと言っていたのに、2つ質問されたら詰まる。緊張のほうは、むしろそれほど目立たない。
緊張しているとき、どうすれば自信があるように見える?
緊張を隠さなくていい。やることを小さくすればいい。少しゆっくり話す、文と文の間に一拍置く、ひとつの文を最後まできちんと言う。本当にすごく緊張しているなら、そう言えばいい。空気はむしろゆるむことが多い。用語集の緊張していいにもっと例がある。
本当の自信と偽物の自信の違いは?
プレッシャーがかかったときを見ればわかる。偽物の自信は結果が思いどおりでないともたなくて、疑われたり断られたりすると崩れる。本物の自信はがっかりもするし緊張もするけど、自分は崩れない。本物の自信は人を押さえつける必要もない。人を下げないと安定して見えないなら、それ自体が不安定だということだ。
「自分らしく」は、変わらなくていいということ?
そうじゃない。「これが自分だから」の多くは、怖い思いをしたあとについた癖だったりする。たとえば、好きな人に一度も話しかけられないとか。変わるのはまったくかまわない。自分がなりたい方向に変わればいい。好かれるためだけに変わると、変わったあとにむなしくなる。