ある夜のことを何度も思い返して、胃がきゅっと縮むのに、あれが同意だったのかどうか言葉にできない。そうなら、まず2つのことを知っておいてください。
ひとつ。名前をつけられなくても、嫌な気持ちになっていいし、誰かに話していい。ふたつ。そのときどれだけ飲んでいたか、何を着ていたか、自分からついて行ったかに関係なく、あなたが嫌と言えない状態のとき、または嫌と言ったあとに相手が続けたなら、それはあなたのせいではありません。誰かに話したくなったのがいつであっても、遅すぎることはありません。
いますぐ誰かと話したいなら、次の番号にかけられます。電話したからといって、被害届を出さないといけないわけではありません。
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター:#8891(最寄りのセンターにつながります)
- 警察の性犯罪被害相談:#8103
- DV相談+:0120-279-889(24時間。相手が恋人や配偶者のとき)
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間。気持ちを聞いてほしいとき)
- 緊急のとき:110番
この記事は、あなたの代わりに結論を出しません。いくつかの問いを使って、あの日を少し見やすいいくつかの場面に分けるのを手伝います。ゆっくり読んでいいし、途中でやめてもかまいません。
同意とは?ひとことで言うと
同意とは、しらふで、圧力のない状態の人が、行動や言葉で「したい」と示すことです。近づく、キスを返す、相手を引き寄せる、「いいよ」と言う。そして、いつでも気持ちを変えていい。
あの夜を次の3つに当てはめてみると、少しはっきりすることがよくあります。
- 同意:あなたが行動で相手に応えた。相手のところへ行くのが何を意味するかわかったうえで一緒に行った。「いいよ」と言った。
- ためらい:ひとつの誘いに引っかかりがあって、口では「それはちょっと」と言いながら、まだその場にいて話も続いていた。
- はっきりした拒否:嫌だ、帰ると言った。相手を押し返した、手を引いた、泣いた、固まった、または酔っていて判断できなかった。体に触れている途中で「早すぎる」「待って」と言ったのも、止めてという意味です。
はっきり拒否したあとに相手が続けたなら、それは同意ではありません。無料レッスンの同意とは何かでは、いくつかの場面を使ってこの区別をひとつずつ分けています。
逆に、次のどれも同意にはなりません。抵抗しなかった、黙っていた、その場で固まった、前に別のことにOKした、付き合っている、大きな声で嫌と言わなかった。
自分に聞ける6つの問い
点数表ではありません。「何問当てはまったらこう」というものはありません。頭の中のもやもやを、ひとつずつ見られるいくつかの場面に変えるためのものです。
1. あのとき、自分は止められると感じていた?
見るのはその瞬間の感覚で、「理屈の上では止められた」は入りません。「やめたい」と言ったら、相手は止まると信じられたか。それとも、言ったら怒られる、途中で置き去りにされる、しらけると言われると感じていたか。後者だから言わなかった、ということもあります。言わなかったことは、したかったことにはなりません。
2. ためらった、嫌と言ったあと、相手は何をした?
多くの人の違和感はここで引っかかっています。「待って」「あんまりしたくない」と言った、または体が少し引いた。そのあと相手は止まって、あなたがまた自分から近づくのを待ったか。それとも続けたか。言い方を変えて何度も何度も聞き、あなたが断らなくなるまで続けたか。
しつこくねばられて出てきた「いいよ」と、最初からしたかった「いいよ」は、まったく違います。少しずつ押し上げていく時間の流れのレッスンが扱っているのは、こうして明け方までねばり続けるパターンです。
3. あのとき、自分は嫌と言える状態だった?
人がどうしても断れない状態があります。ろれつが回らないほど飲んでいた、眠っていた、半分眠っていた、怖くて体が固まっていた、相手が上司や先生だった、相手の家にいて帰る手段がなかった。
酔った人は、有効な同意をすることができません。どちらが言い出したかでそれは変わりません。酔っていたら同意できないのレッスンに、もっと詳しい判断の仕方があります。怖いとき、体ごと固まって、動けず声も出なくなる人はたくさんいます。性暴力の被害のあとに救急外来を受診した女性に聞き取りをした研究では、7割がそのとき明らかに体が固まったと答えています。これはとてもよくある体の反応で、「黙って認めた」こととは関係ありません。黙っていること、固まっていることがなぜ「いいよ」にならないかは、沈黙は同意?にもっと詳しく書いています。
4. 自分がOKしたのは、どのこと?
同意は一歩ずつ見ます。相手の家について行った、キスをした。それは、そのときのあなたが近づくことに開かれていたという意味かもしれません。でも、その先の一歩一歩が全部いいという意味にはなりません。あなたが体を引いた、押し返した、「待って」「嫌」と言ったのに相手が続けたなら、その時点でもう一線を越えています。避妊具を使うと約束していたのに、相手が途中でこっそり外したなら、それもあなたがOKしたことを超えています。
5. 自分の「いいよ」は、どこから出てきた?
その「いいよ」は、したかったから出たのか。それとも、もう聞かれたくなかったから、相手が怒るのが怖かったから、夕食をおごってもらって何か借りがある気がしたからか。借り、恐怖、交換から口にした「いいよ」と、自由に差し出した「いいよ」は、まったく違います。
6. 途中で気持ちが変わった?
最初はしたかったのに、途中でしたくなくなった。それはまったくかまいません。同意はいつでも取り消せます。見るのは、あなたがそれを伝えたあとに、相手が止まったかどうかです。
ここまで考えて、少しはっきりしたかもしれないし、まだ混乱しているかもしれません。どちらも普通のことです。今日のうちにそれを何と呼ぶか決めなくていいのです。
後悔と、同意がなかったこと。どこが違う?
多くの人がいちばん聞きたくて、いちばん聞くのが怖い問いです。
後悔の問いは、「あのとき、これを選ばなければよかった」に近いものです。あのときあなたは選んでいた。ただ今になって、その選択はよくなかったと思っている。早すぎた、相手が違った、心の中で望んでいたものと違った。
同意に問題があったときの問いは、「あのとき、自分は本当に選んでいた?」に近いものです。止められなかった、嫌と言っても効かなかった、決められる状態ではなかった、OKしたこととあとで起きたことが違った。
| 後悔に近い | 同意に問題があったに近い |
|---|---|
| そのときはしたかったが、今はしなければよかったと思う | そのときからあまりしたくなかったが、止められなかった |
| 嫌と言えたけれど、言わないことを選んだ | 嫌と言った、体を引いたのに、相手が続けた |
| しらふで、何が起きているかわかっていた | 酔っていた、眠っていた、怖くて固まっていた |
| 起きたのは、自分がOKしたこと | 自分がOKしていないことが起きた |
2つが同時にあることも、うまく分けられないこともあります。特に、お酒が入っていたとき、相手が知り合いのとき、前にも関係があったときはそうです。両方の列に当てはまるものがあっても、あなたが答えを間違えたわけではありません。あの夜が一言で表せるより複雑だったというだけです。
嫌な気持ちが残った夜が全部、加害を受けた夜とは限りません。本当に後悔のときもあり、それもきちんと受け止める必要があります。ただ、「後悔」という言葉は、本当は後悔ではなかったことにかぶせられることがよくあります。
よくある自分責めと、それが答えを変えない理由
こういう考えは、ほとんど誰にでも浮かびます。どれも本物の気持ちですが、肝心の問いには答えていません。相手はあなたの反応を見ていたか。あなたが引いたとき、止まったか。
- 「大きな声で嫌と言わなかった。」同意に必要なのは、あなたが行動や言葉で応えることで、「嫌が聞こえなかった」は入りません。反応を見て、相手が引いたら止まるのは、先へ進みたい側の責任です。
- 「自分があんなに飲んだんだから。」お酒を飲んだのはあなたの選択です。あなたが酔っているのにつけこんで相手がしたことは、相手の選択です。
- 「自分から相手の家について行った。」行ったからといって、その先の一歩一歩が全部いいわけではありません。押し返した、固まった、嫌と言ったあとも相手が続けたなら、それは一線を越えています。
- 「前にも関係があった、付き合っている。」付き合っていても、結婚していても、一回一回に二人の「したい」が必要です。
- 「体が反応していた。」体が反応しても、心がしたかったとは限りません。この2つはもともと食い違うことがあります。
- 「翌日もLINEを返したし、普通に話した。」あとで普段どおりに接する人はたくさんいます。まだ気持ちを整理している途中だから、同じ人間関係の中でこれからも顔を合わせるから。それがさかのぼって、あのときを同意に変えることはありません。
このあとできること。一度に決めなくていい
被害届を出すかどうかも、相手に何か言うかどうかも、すぐに決めなくていいのです。次のことは、ひとつずつでかまいません。
- 信頼できる人に話す。友達、家族、または上の相談窓口。話す内容はごちゃごちゃでかまいません。聞く人は、あなたが筋道立てて話すことを求めていません。
- ここ数日のことなら、受診を考える。病院では、けが、妊娠、性感染症のリスクに対応できます。予防の中には早いほど効くものもあります。#8891 に電話すれば、受診、けがの記録、証拠の残し方にどんな選択肢があるかを先に聞けます。聞いたからといって、次の段階に進まないといけないわけではありません。病院への付き添いを相談できるセンターもあります。
- 覚えていることを書き留める。日時、場所、相手が言ったこと、あとでやり取りしたメッセージ。このあとどうするにしても、この記録は役に立ちます。「自分の記憶違いかも」と疑いはじめたときにも、思い出させてくれます。
- 相手が同級生や同僚なら、申し立ての窓口がある。学校や会社には、たいていセクハラや性暴力を扱う窓口があります。#8891 でも手続きについて相談できます。
- この先数週間の自分を大事にする。眠れない、場面が何度もよみがえる、触られたくない。どれもよくある反応です。生活に影響が続くなら、カウンセリングが役に立ちます。よりそいホットラインで、まず話してみることもできます。
ずっと前のことでも同じです。3か月前、3年前、10年前のことを今になって話したくなっても、遅くはありません。
境界線をどう言葉にするか、どう尊重してもらうかをもっと知りたいなら、境界線とは?を見てください。友達が飲みすぎたときにまわりができることはデート相手が酔ってしまったらにあります。あなたがもう一方の側で、自分が一線を越えたのではと心配しているなら、まずよくある質問の最後の項目を読んでください。謝り方はうっかり一線を越えたときの謝り方を参考にできます。同意についてのほかの記事は同意と境界線のトピックページにあります。
セルフチェック:いくつかのことを分ける3問
1. 「大きな声で嫌と言わなかったから、同意したことになるよね?」
2. 相手の家について行き、着いてから体を引いて「待って」と言ったのに、相手は続けた。
3. ずいぶん前のことを、今になって話したくなった。
よくある質問
嫌と言わなかったら、同意したことになる?
そうとは限りません。同意で見るのは、あなたが行動や言葉で応えていたかどうかで、相手に「嫌」が聞こえたかどうかとは関係ありません。黙っていた、固まった、押し返さなかった。どれも自動的に同意とはみなせません。そのとき嫌と言えなかったなら、言えなかった理由そのものを、きちんと受け止める必要があります。
酔っているときに起きたことは、同意になる?
ろれつが回らない、まっすぐ歩けない、記憶があいまいなほど酔っている人は、口で「いいよ」と言っていても、有効な同意をすることができません。あの夜あなたが酔っていて、あとから違和感があるなら、その気持ちには根拠があります。考えすぎではありません。
恋人や配偶者でも、一線を越えてくることはある?
あります。付き合っている、一緒に住んでいる、結婚している。どれも、一度の同意がずっと有効という意味にはなりません。あなたがしたくないとき、眠っているとき、嫌と言ったあとに相手が続けたなら、それは一線を越えています。関係の中で何度も起きているなら、DV相談+ 0120-279-889(24時間)に相談できます。安全がいちばんです。
ずいぶん前のことでも、今話す意味はある?
あります。誰かに話す、自分の気持ちを整理するのに期限はありません。法的な手続きには期限があることもありますが、それは別の問題で、#8891 で相談できます。聞いてほしいというあなたの気持ちは、時間がたったからといって消えるものではありません。
自分が一線を越えた側かもしれないと心配なときは?
相手になぐさめてもらおうとしない。「あれは普通だから気にしなくていい」と相手を説得しない。相手が話してくれるなら、相手の話を聞き、自分が与えた影響を認めて、本気で謝る。そのあとは相手に一人で落ち着く時間を渡し、問い詰めも言い訳もしない。この先の触れ合いはすべて、相手の反応を見ます。相手が寄ってきて応えてくれるときだけ進む。体を縮める、固まる、嫌と言うなら止めます。