「ビデオ通話って気まずい。それならいきなり会ったほうがいい」。よく聞く言葉で、半分は当たっています。ビデオ通話は会うより気まずいことが確かに多いです。画面は固まるし、二人で同時にしゃべりだすし、隅にはずっと自分の顔が映っています。でも、とても安上がりでもあります。外に出なくていいし、どうやって帰るか考えなくていい。
だから会う前のビデオ通話は必須ではありませんが、たいていやる価値があります。文字だと一言ずつ考えないといけませんが、話すときは人が生きて動いていて、口調が聞こえて、表情が見えます。文字で詰まっていたことの多くは、何分か話せば通じます。ビデオ通話では、トーク履歴では確かめられない2つのことがわかります。二人の話すリズムが合うか、そして相手が写真の人か。面接の代わりにも、安全の証明書の代わりにもなりません。この2点はあとではっきり書きます。
これは性別に関係ないので、ここでは「相手」と書きます。
このリストの使い方
誘い方と断り方の部分は、ビデオ通話を提案する前に読んでください。準備リストは、通話の30分前に一度確かめます。どれも、自分でできて、自分で確かめられる小さな動きです。最後の章は、終わったあとの読みとり方です。全部そろってから始める必要はありません。リストの役目は気が散るのを減らして、注意を相手に向けておくことです。
ビデオ通話で確かめられること、確かめられないこと
| ビデオ通話で確かめられる | ビデオ通話では確かめられない |
|---|---|
| 相手の顔が写真と一致するか | 相手の人柄と本当の意図 |
| 話すリズムや笑いのツボが合うか | 会ったときも同じ感じかどうか |
| 相手が顔を出してくれるか、自然に話すか | 相手が言っている仕事、年齢、恋愛の状況が本当か |
| 自分がまだ会いたいと思うか | 会ったときに安全かどうか |
いちばん伝えたいのは右の列です。ビデオ通話がうまくいくと、「もうこの人のことは知っている」と感じやすくなります。でも、カメラの前で話がうまいからといって、会ったときにこっちのペースを大事にしてくれるとは限りません。ビデオ通話のあとでも、会うときの安全の段取りはいつもどおりにします。人の多い場所で会う、行き帰りは自分でする、友達に居場所を伝えておく。全部のリストは初デートの安全ルールにあり、レッスン初デートの安全チェックリストで場面を使って練習することもできます。
もうひとつ。ビデオ通話が会うより気まずいのは、まったく普通のことです。通信の遅れ、自分の顔が見えること、手をどこに置けばいいかわからないこと。ほとんどの人がカメラの前ではふだんよりかたくなります。だからビデオ通話がまあまあだったからといって、会ってもまあまあだとは限りません。
相手をビデオ通話にどう誘う?
いい誘いには2つの部分があります。軽い理由と、具体的な日時です。
理由も日時も言い切りで伝えている。相手が電話にしたいと言ったら「いいよ」と返して、相手のやり方に合わせる。
逃げ道は語尾に書かなくていいです。相手が慣れていないと言ったら「いいよ」と返して、そのままお茶に誘うか、先に電話にする。これが逃げ道です。
細かいところをいくつか。
- 先に時間を決めるか、相手の都合を確かめる。何の前ぶれもなく急にビデオ通話をかけると、相手はパジャマ姿かもしれないし、会社にいるかもしれないし、親の隣に座っているかもしれません。話している途中でそのままかけたくなったら、先に「今そばに誰かいる?」と聞いて、相手がひとりで時間があるのを確かめてから「かけるね」と言います。
- 気楽でいい。ビデオ通話は外に出なくていいし、お金もかからないので、もともと会うよりOKしやすいものです。わざわざかしこまった段取りにしなくていいです。相手が負担なくOKできるようにする。これがレッスン相手の時間の負担を減らすのポイントで、ビデオ通話にもそのまま使えます。
- どのアプリを使うかは相手に選んでもらう。ビデオ通話の機能があるマッチングアプリもあって、それなら先にLINEを交換しなくてすみます。相手がまだ連絡先を教えたくないなら、アプリの機能を使います。
- 「なんでビデオ通話するの?」と聞かれたら、正直に言う。「話が合うか確かめたいし、こっちが実在の人だってことも確かめてほしいから」。意図をはっきり言うほうが、もったいぶるより相手は安心します。
一言で通話を提案して、逃げ道も残しておくやり方は、レッスン20秒のボイスメッセージで練習できます。先に電話にするかビデオ通話にするか迷うなら、電話とLINE、どっちがいい?を見てください。
ビデオ通話をしたくないとき、どう断る?
相手から提案されても、OKしなくてかまいません。カメラが苦手な人もいるし、その時期に調子が悪い人もいて、どれもまっとうな理由です。しかも説明はいりません。たとえばこう言えます。
「ビデオ通話は慣れてないから 先に電話にしよう」
「そのまま会いたい 人の多いカフェで1杯 土曜の午後どう?」
それを聞いた相手がどう反応するか、それ自体が情報です。「いいよ」と言う人は、たいてい会ったときもこっちのペースを大事にしてくれます。「写真と顔が違うんじゃないの」としつこく聞く、こっちが誠実じゃないと言う。そういう人には気をつけてください。
逆に、こっちがビデオ通話をしたいのに、相手が毎回理由をつけて断り、そのくせ会うことはすごく急いでくるなら、覚えておきます。もっと気をつけたいのは別のパターンです。何週間も話しているのに、相手は一度もビデオ通話をせず、一度も会わず、そのうち投資やお金の貸し借り、電子マネーのチャージの手伝いを持ちかけてくる。マッチングアプリを使った詐欺でとてもよくある形なので、そのまま連絡をやめてください。日本では、警察の相談窓口#9110に相談できます。
ビデオ通話の30分前:準備リスト
- 時間を決めた。たとえば木曜の夜9時。
- 使うアプリを決めた。アプリのビデオ通話機能か、すでに交換しているLINE。ビデオ通話のために、まだ教えたくない連絡先を渡さなくていいです。
- カメラに何が映るか見た。インカメラを開いて一周見ます。椅子の背にかかった服、机の上の住所が書かれた荷物、窓の外のわかりやすい看板、壁にかかった本名入りの賞状。相手に知られたくないものは、画面の外に出します。
- 光は前から。窓かデスクライトのほうを向いて座ります。窓を背にすると、相手には黒いシルエットしか見えません。
- カメラは目の高さに。スマホを本で何冊か持ち上げるか、スタンドに立てます。あごの下から撮ると誰でも見栄えがしませんし、自然に目を合わせにくくなります。
- 美肌補正とフィルターを切った。ビデオ通話の目的のひとつは、こっちが写真と一致するかを相手に確かめてもらうことです。ここでフィルターをつけると、確かめるはずのものをまた隠すことになります。
- ふだん会うときに着る服を着た。特別におしゃれしなくていいです。清潔なら十分です。ビデオ通話と会ったときが同じ姿なら、相手は安心します。
- イヤホンをつけて、同居している人に伝えた。イヤホンで声の反響が減ります。ルームメイトや家族が知っていれば、急に画面に入ってくることもありません。
- 話題を2つか3つ考えておいた。前に話したことの続き、相手が今どこにいて何をしているか。どちらも始めやすいです。ほかの話題は初めての電話で何を話す?を参考に。ほとんどはビデオ通話でもそのまま使えます。
- 終わりの一言を考えておいた。「そろそろ夕飯作る 土曜にあのカフェで」。盛り上がっているうちに切り上げて、その流れで会う日を決めます。
- 自分の小さい画面を小さくするか、消した。自分の顔をずっと見ていると、誰でも落ち着きません。注意を相手に戻します。本当に緊張しているなら、そのまま「今すごく緊張してる笑」と言うほうが、がまんするより楽なことが多いです。
ビデオ通話中:先に聞いていないなら、スクショも録画もしない
これには例外がありません。先に聞いて、相手がOKしていないなら、録画もスクショもしないこと。
理由はシンプルです。相手がOKしたのは、少しの間こっちと話すことだけで、自分の顔と声を保存されることにはOKしていません。画面が一度保存されたら、それが誰に送られるかを相手はコントロールできません。こっちの友達のグループ、こっちの元恋人、いつかネットに貼られるかもしれない。友達に相手の顔を見せたいだけだとしても、相手が知らないところで人を見せ物にしていることになります。
同じ基準は相手にも当てはまります。ビデオ通話中に、相手が次のようなことをしたら。
- 着替えて、体を映して、またはカメラで部屋じゅうを映してと言ってくる。
- ずっと話を性の方向に持っていき、こっちが明らかに嫌がっているのに続ける。
- スクショや画面録画で脅してくる。
そのまま切ってください。説明はいりません。性的な画面を使ってお金を要求されたら、払わないこと。やりとりの記録を残して、ブロックします。日本では、緊急なら110、警察への相談は#9110です。性的な画像で脅されているなら、性犯罪被害相談電話#8103にも相談できます。安全がいちばん先です。恥ずかしいと思うべきなのはこれをした側で、こっちが恥じることは何もありません。
ビデオ通話のあと:結果をどう読んで、次に何をする?
- 話が合って、会いたいと思った:熱いうちに誘います。できればビデオ通話の中で日時を決めて、2、3週間先延ばしにしないこと。最初は気楽な約束でいいです。コーヒー1杯や、マルシェを歩くくらい。場所は初デートはどこに行く?を参考にしてください。
- まあまあで、何とも言えない:ビデオ通話はもともと会うより気まずいことを思い出してください。文字ではずっと気が合っていたなら、短く会うチャンスを一度あげてもいいです。文字でもずっとまあまあなら、無理しなくていいです。
- 相手が写真と明らかに一致しない、ずっとカメラをつけない:これは役に立つ情報です。一度直接聞いてもいいし、そのまま続けないのでもいい。どちらでもかまいません。
- どこか嫌な感じがした:自分を説得しなくていいし、理由もいりません。「今日は話してくれてありがとう 合わないと思う」の一言で十分です。
ビデオ通話は、会う前の小さな一歩です。いちばんいい結果は、通話を切るときに、もういつ会うかが決まっていることです。いつやりとりから会うほうへ進めばいいかは、続けてマッチングアプリで会うまで何日やりとりする?を読んでみてください。ほかのやりとりと誘い方の記事は、メッセージと誘い方のトピックページにあります。
セルフチェック:ビデオ通話の段取り3問
1. 会う前にビデオ通話をしたい。いちばんいい誘い方は?
2. ビデオ通話がすごくうまくいった。相手の顔を友達に見せたくてスクショを撮りたい。いい?
3. ビデオ通話がうまくいって、もうこの人のことを知っている気がする。会うときの安全の段取りは?
よくある質問
初めてのビデオ通話では何を話せばいいですか?
今この瞬間から始めるのがいちばん自然です。二人が今どこにいて、今日何をしていたか。そのあと文字で話しきれなかったことを話して、最後に会うことに少し触れます。話題は2つか3つで十分で、盛り上がったらそのまま会う約束をします。
ビデオ通話が気まずかったのは、相性が悪いということですか?
そうとは限りません。遅れ、自分の顔が見えること、手のやり場がわからないこと。ビデオ通話では、ほとんどの人がふだんよりかたくなります。気まずさの度合いより、相手がこっちに質問を返してきたか、二人で一緒に笑ったか、自分がまだ会いたいと思うかを見てください。
相手がビデオ通話を嫌がるのは、詐欺ですか?
そうとは限りません。本当にカメラが苦手な人もいます。電話ならしてくれる、人の多い場所で会ってくれるなら、たいていただの習慣です。一度もビデオ通話をせず、一度も会わないのに、お金の話を始めたら、そこで止まるサインです。
ビデオ通話デートはどれくらいの長さがいいですか?
決めなくていいです。初回は10〜20分くらいがよくあります。盛り上がっているうちに切り上げて会う約束をして、ほかの話は会ったときにとっておきます。