金曜の夜9時。友だちが新しく借りたマンションのドアの前に立っている。手にはスーパーで買ったお菓子の袋。ドアの向こうから音楽と笑い声が聞こえる。頭の中で数えてみる。中で知っているのはホストひとりだけで、そのホストはさっきLINEで「鍋見てるから、鍵開いてるし勝手に入って」と送ってきた。
知り合いがいないパーティーは、聞くとすごく怖い。でも実は、一番話しかけやすい状態のひとつだ。誰もが知らない人と話すつもりで来ているし、共通の友だちがいるし、集まりはもともといつか終わるから、誰も無理に粘らなくていい。先に結論を言っておく。入ったらまずやることを見つける。最初の20分は小さな輪を探して、リビング全体を相手にしない。相手が話に乗ってくるか見て、もっと話すか決める。話が合えばLINEを交換して次の約束をして、帰るときは気持ちよくあいさつする。お酒は飲んでもいいし、まったく飲まなくてもいい。
ここからは、この金曜の夜について、入ってから帰るまでを一緒に追っていく。
1段階目:入ってから最初の5分は、まずやることを見つける
一番きついのがこの5分だ。リビングの真ん中に立っていると、みんな話しているのに、自分だけ手に何もなくて、周りに誰もいない気がする。
ここで慌てて話し相手を探さなくていい。まずやることを探す。
- ホストを探す。あいさつして、お菓子を渡して、「何か手伝おうか?」と聞く。果物を切る、氷をバケツに入れる、ドアを開けに行く。手にやることがあれば、役割ができるし、人に話しかける自然な理由もできる。「栓抜きどこにあるか知ってる?」は、たぶんパーティーで一番浮かないひと言だ。
- 飲み物を1杯持つ。お酒じゃなくていい。炭酸水でもウーロン茶でもいい。手にグラスがあれば、立っていてもそれほど手持ちぶさたにならない。
- 緊張したら、緊張させておく。心臓がドキドキする、手の置き場がわからない。どれも普通のことで、無理に押さえ込まなくていい。心の中で「今緊張してる。それでもキッチンをのぞいてみよう」と自分に言うほうが、「緊張するな」と命令するよりずっと効く。このやり方は無料レッスンの緊張していいと自分に許すでひととおり練習できる。
しないこと:隅に縮こまって30分スマホを見ること。メッセージを確認するのは普通だけど、スマホを持ち上げた瞬間、周りに壁を立てたようになって、話しかけたい人がいても入り口が見つからない。入った瞬間に景気づけの1杯を一気飲みするのもやめよう。緊張が消えるわけじゃなく、人の様子が読みにくくなるだけだ。
2段階目:最初の20分で、合う小さな輪を選んで加わる
まず人が自然と立ち止まる場所に行く。キッチン、飲み物のテーブル、お菓子の置き場、ベランダ。もともと人が行き来する場所だから、あなたが加わってもまったく浮かない。
輪を選ぶときは、3、4人がすき間のある半円に立っている輪のほうが、2人が向かい合って話し込んでいる輪より入りやすい。近づいたら、本当のことを言えばいい。
たいていの人は少し横にずれて、あなたを輪に入れてくれる。
話題は目の前から探す。このキッシュは誰が作ったのか、このマンションのベランダ、さっき流れた曲、みんなとホストのつながり。「このキッシュ持ってきたの誰?もう3切れ目もらってる」のほうが、「仕事は何してるの?」よりずっと返しやすい。みんなにそのキッシュが見えているからだ。その場から話題を探すのは練習できる。その場にあるものを話題にするのレッスンで練習するのはまさにこれだ。
もっと知り合いたい人がいたら、その人の周りの人にも気を配る。相手が友だちと一緒に来ているなら、グループ全体と話して、友だちを放っておかない。打ち解けてきたら、2人だけで少し話すのも自然だ。グループの全員が話に入れるようにする方法は、連れの人に気を配るのレッスンでもっと練習できる。
集まりで使いやすいリズムがある。まずいくつかの輪とそれぞれ少し話して、そのあと一番もっと話したい人に時間を残す。リビング全体のご機嫌をとる必要はないし、一晩じゅう同じ隅にはまっている必要もない。輪を変えたいときは、「飲み物取ってくる。またあとで」が、すごくいい離れ方になる。
誰が話したがっていて、誰が礼儀で付き合っているか見分けるには?
パーティーではみんな親しげだから、特に読み違えやすい。見るのは、相手が自分から会話をつないでくるかどうかだ。
| 話したがっていそう | 礼儀で付き合っていそう |
|---|---|
| 質問してきて、あなたの答えをさらに掘り下げる | 答えるけど、質問は返さない |
| 体があなたのほうを向く、輪があなたに場所をあける | 体は元の友だちのほうを向いたまま |
| 飲み物を取ってくると言うと、「すぐ戻ってきてね」と言うか一緒に来る | 行くと言うと、相手が明らかにほっとする |
| 自分から次の集まりの話をする、インスタを聞いてくる | ずっとスマホを見ている、目でほかの人を探している |
| 話すうちに口数が増えて、細かい話が増える | 返事がどんどん短くなる |
右の列は、嫌われているという意味じゃない。相手は今日疲れているだけかもしれないし、久しぶりに会った友だちと話したいのかもしれない。右側が見えたら、笑って「ちょっとあっち見てくる」と言って、別のグループに行けばいい。自分を反省しなくていい。親しさと好意のもっと細かい見分け方は、優しいのは好きだから?を見てほしい。
お酒を飲まずに楽しむには?ひと言で十分
お酒が出る集まりは多いし、飲みゲームがある集まりもある。飲まなくてもまったく問題ない。必要なのはひと言だけ。
「今日は飲まない。これでいい。」
説明も謝罪もいらない。しつこく聞かれたら、「今日は飲みたくない」も立派な答えだ。飲みゲームには参加していいし、炭酸水で参加しても同じように数に入る。やりたくないなら、ベランダでほかの人と話せばいい。その集まりに来たからといって、そこでやることの全部に同意したわけじゃない。
飲まないことには、もうひとついいことがある。あなたはリビングの中で一番人の様子を読める人になる。相手の声の調子がはっきり聞こえるし、相手がさっき言ったことも覚えているし、礼儀を好意と読み違えることも少ない。
逆の場合も同じだ。人のグラスになみなみ注がない、「あと1杯だけ」と何度もすすめない、ゲームを使って誰かに「はじけてもらおう」なんて絶対に考えない。お酒で人を断りにくくするのはレッドラインで、バーでのナンパの記事にもっとくわしく書いてある。相手が飲みすぎたら、あなたがやることは、相手の友だちがそばにいるか、誰かが一緒に帰るかを確かめることで、そういうときは何も進めない。
「何飲む?冷蔵庫に炭酸水あるよ。」
相手のグラスになみなみ注いで、「あと1杯だけ」。
炭酸水で一緒に参加する。やりたくなければベランダで話す。
ゲームを使って誰かに「はじけてもらう」。
相手の友だちを見つけて、誰かが一緒に帰るか確かめる。
そのすきに近づいて、「送っていくよ、2人で」と言う。
3段階目:帰るときは、気持ちよくあいさつする
一番いい帰りどきは、まだ楽しんでいるときだ。最後のひとりまで粘らなくていい。
- ホストにあいさつしに行く。お礼を言って、あの鍋をほめる。黙って消えない。ホストは気にするものだ。
- 話が合った人とはLINEを交換して、その場で次の約束をする。話がはずんでいて、相手もずっと乗ってきてくれたなら、そのまま言う。「話してて楽しかった。LINE交換しよう。土曜にさっき言ってた展示に行こう」。相手が迷っていたら、理由をひとつ添えればいい。「大丈夫、夜中に変なの送ったりしないから」。相手が「いいです」と言ったら、「わかった、会えてよかった」と返して帰る。
- 相手がしらふで、まだ話したそうなら、その場で場所を変えてもいい。「ちょっとお腹すいた。下でラーメン食べていかない?」。相手に時間があって話に夢中なら、そのまま帰すほうがもったいない。相手が飲みすぎているなら言い出さない。誰かが一緒に帰るか確かめて、別の日、しらふのときに誘う。
翌日、ホストにお礼のメッセージを送る。相手がLINEを交換してくれたなら、昨夜のことに関係するひと言を送って、そのまま約束を固める。相手の返事が遅い、あるいは返事がないときは、既読無視の記事に受け止め方が書いてある。
2人が昨夜本当に話したことに触れる。読めばすぐあなただとわかるし、相手も返す材料がある。返事が来たら、昨夜決めた会う約束を固める。
友だちの集まりがなぜ一番出会いやすい場のひとつなのかは、出会いの場所はどこにある?の記事でくわしく比べている。ほかのテーマは声かけ・話しかけのトピックにまとめてある。
セルフチェック:パーティーで人と知り合えるか3問で確認
1. 入ったばかりで、知っているのはホストだけ。最初にやるといいのは?
2. 飲み物を取ってくると言ったとき、相手が話したがっていそうなのはどの反応?
3. ある人とすごく話が合ったけど、相手はかなり飲んでいる。集まりがそろそろ終わる。どうする?
よくある質問
ひとりで集まりに行くと、気まずくない?
最初の10分が一番気まずくて、そのあとはずっと楽になる。少し早めに着こう。人がまだ少ないときが一番話しかけやすい。誰かに面倒を見てもらうのを待って立っているより、堂々と自分から人にあいさつしに行こう。
集まりでどう話しかければいい?
目の前のものから始める。食べ物、音楽、この場所、またはみんながホストとどうつながっているか聞く。言ったら、相手がどう返すかまず聞く。話題をひとそろい準備しておく必要はない。相手の返事が短ければ、別のグループと話せばいい。
集まりで好きな人ができたら、どう次に誘う?
話が一番盛り上がっているときに言う。最後の最後まで待たない。「あの展示、月末で終わるから、土曜に一緒に行こう」。こういう具体的な提案のほうが、「今度また」よりずっと返事がしやすい。相手が日にちか連絡先をくれたらそれで十分だし、くれなかったら、楽しくおしゃべりした一回のままにしておけばいい。
みんなすごく仲がよくて、輪に入れない。どうする?
人数の少ない輪を探すか、ホストの手伝いをする。入れない輪に無理に入らなくていい。別のグループに行けばいい。同じようにひとりでいそうな人と話すのもいい。相手はたいてい、すごくありがたく思ってくれる。