失恋した人をどう慰める?結論は少なめ、そばにいるのは多め。まず聞いて、評価をはさまない言葉をいくつかかけて、具体的な小さいことをひとつふたつ手伝って、そのあと何週間か顔を出し続ける。「次はもっといい人がいるよ」「だから言ったじゃん、あの人は合わないって」「男なんて星の数ほどいるよ」。この3つは、失恋した人がいちばんよく聞かされて、いちばん聞きたくない言葉。気の利いた名言を考える必要はない。やることは、相手がひとりで踏ん張らなくていいようにすること。
慰めるときのゴール:相手がひとりで踏ん張らなくていいようにする
ここを先に決めておくと、あとがずっと楽になる。失恋の痛みは本物で、時間もかかる。ひと晩で消してあげることはできない。あなたにできるのは、いちばんしんどい何週間かに友だちをひとりにしないこと、そして生活の土台(食べる、寝る、仕事や学校に行く)がまるごと崩れないようにすること。
慰めがずれてしまうのは、相手を急いで「元気にさせたい」からのことが多い。その焦りには、自分のための部分もある。友だちが泣いているのを見るのはつらいし、何を言えばいいかわからないのは気まずい。だから早く結論を投げて、その場を終わらせたくなる。
立ち直るのは友だちのことで、そばにいるのはあなたのこと。この2つを分けておくと、友だちが同じ話を5回目に泣きながらしても、自分が失敗したとは感じなくなる。この分け方を課題の分離と呼んでいて、課題の分離の無料レッスンにたくさん練習がある。
話す前に:相手が何をほしいのか、先に聞く
同じ失恋でも、ひと晩じゅう話したい人もいれば、何も言わずにそばで一緒にバラエティ番組を見てほしい人もいる。一緒に怒ってほしい人もいれば、他人が元恋人を悪く言うのを聞くとかえってつらくなる人もいる。当てずっぽうで動くより、直接聞いたほうがいい。
- 「話したい?それとも、何も話さなくていいから誰かにいてほしい?」
- 「一緒に怒ってほしい?それとも、聞くだけがいい?」
- 「今夜行こうか?それとも明日ごはんにする?」
具体的にそばにいるひとつのほうが、長い励ましの文章より役に立つ。
ほしいか聞いてから渡す。この習慣は貢ぐ側にならないのレッスンにもっと例がある。恋人が愚痴を言っているとき、聞くべきかアドバイスすべきかを見分ける聞くべきか、解決策を出すべきかの考え方は、友だちに使ってもそのまま当てはまる。
そのまま言っていい言葉と、言わないほうがいい言葉
| そのまま言っていい | 言わないほうがいい | なぜ |
|---|---|---|
| 「本当につらいよね。悲しいのは当たり前だよ。」 | 「泣かないで。あんな人のために泣くことないよ。」 | 悲しむなと言われると、悲しむことすら許されていない気がする |
| 「ここにいるよ。今から行こうか?」 | 「何かあったら言ってね。」 | ぼんやりしすぎ。失恋した人は、たいてい自分からは言い出さない |
| 「話したいだけ話していいよ。聞くから。」 | 「次はもっといい人がいるよ。」 | いきなり未来に飛ぶと、相手のいまの痛みを飛ばすことになる |
| 「今すぐ納得しなくていいよ。」 | 「だから言ったじゃん、あの人は合わないって。」 | これは自分が正しいという話で、相手のそばにはいられていない |
| 「あなたがダメだってことじゃないよ。」 | 「自分も反省したほうがいいんじゃない?」 | 振り返りはあとでいい。いまは責めているようにしか聞こえない |
| 「明日の夜空いてるから、一緒にごはん行かない?」 | 「でも結婚してなかっただけマシじゃん。」 | もっとひどいケースと比べると、相手の気持ちを小さく扱うことになる |
左の列に共通しているのは、相手の気持ちを認めて、具体的にそばにいること。右の列は、たいてい話を早く終わらせようとしている。
「一緒に怒る」は気をつけて。友だちが元恋人を悪く言っているときに「最低なやつだね」「前から気に入らなかったんだよ」と乗っかると、友だち思いに見える。でもリスクが2つある。聞かされ続けた友だちは、そもそも自分の見る目がなかったと思い始める。それに、もし2人がよりを戻したら、あなたの立場がかなり気まずくなる。もっといいのは、相手を攻撃せずに、友だちの気持ちの側に立つこと。「そんなこと言われたら、すごく傷ついたよね。」聞くけど、上乗せはしない。同調しない、人を下げないのレッスンで練習するのはまさにこれ。
「そんなこと言われたら、すごく傷ついたよね。」
「最低なやつだね。前から気に入らなかったんだよ。」
「前に揉めたあのことがまた起きないか心配。何か変わったと思う?」
「正気?」
「最近どう?週末出かけない?」
「もう2週間たったんだし、そろそろ立ち直りなよ。」
最初の2週間にできる5つのこと
1. 最初の夜:ちゃんと顔を出す
会えるなら会う。会えないなら電話する。「ぎゅー」のスタンプ1個でもだめではないけど、それだけで消えると、相手はあなたが通りすがっただけだと感じる。
よくある失敗:「いったい何があったの」と何度も聞くこと。話したくなれば自分から話す。あなたの仕事はそばにいることで、事情聴取は必要ない。
2. 食べることと寝ることに気を配る
失恋した人は、よくごはんを食べ忘れたり、ひと晩じゅう元恋人の SNS を見て眠らなかったりする。相手の好きな夜食を持っていくか、友だちの家に直接デリバリーを頼むほうが、「ちゃんと自分を大事にしてね」を10回言うより効く。
よくある失敗:ビールを箱ごと持っていって「今夜は飲み明かそう」。お酒で気をまぎらわすのはよくあることだけど、そういう夜のいちばんよくある結末は、夜中に元恋人に長いメッセージを連投して、翌日もっとつらくなること。慰めを飲み会にするのはおすすめしない。
3. 具体的な面倒ごとを手伝う
別れには、すごく現実的な用事がたくさんくっついてくる。元恋人の家に荷物を取りに行く、一緒に借りている部屋をどうするか決める、一緒に申し込んだ旅行をキャンセルする。「何か代わりに行ってこられる用事ある?」と聞いて、一緒に行く、運ぶのを手伝う。これはすごく助かる。
よくある失敗:友だちの代わりに決めること。元恋人をブロックしてあげる、ツーショットを消してあげる、元恋人に「はっきりさせる」メッセージを送る。たとえ善意でも、友だちが自分で決める機会を取り上げている。連絡を断つかどうかは友だちが選ぶこと。別れたあとの連絡断ちは効く?を送ってあげるのはいい。
4. ふだんの生活を続けさせる
もともと2人でやっていたことに誘う。スポーツ、映画、川沿いの散歩。毎回失恋の話をしなくていい。「今日は2時間、あの人のことを一度も思い出さなかった」ということ自体が、休みになることもある。
よくある失敗:会うたびに「大丈夫?まだあの人のこと考えてる?」と聞くこと。気にかけるのはいいけど、2人の友情が失恋の話題だけにならないようにしよう。
5. 3週目も、まだそこにいる
いちばん多くの人ができないのが、このステップ。別れて1週目は、友だちの周りはたいていにぎやか。3週目になると、みんな自分の生活に戻っていく。でも失恋した人は、そのころになってやっと本当につらくなることが多い。スマホにリマインダーを入れて、3週目と5週目に1回ずつ送ろう。「最近どう?週末出かけない?」
いちばんしんどい何週間かが過ぎて、友だちが笑うようになってきたら、前を向くのにつき合えばいい。「もっといい人がいるよ。」「週末の集まり、一緒に行こう。何人か知り合いを増やそう。」初日にかけると相手の痛みを飛ばしてしまう言葉も、このころなら相手の耳に入る。どんどん出かけて新しい人と知り合うのは、立ち直るいちばん早い道になることが多い。
よくある失敗:「もう2週間たったんだし、そろそろ立ち直りなよ。」他人の立ち直りのスケジュールは、誰にも決められない。失恋から立ち直るのにどれくらいかかるか、最初の1か月をどう過ごすかは、失恋から立ち直る方法にくわしくまとめてあって、友だちに送ってあげるのにもちょうどいい。
よく踏むのに、あまり言われない地雷
- 自分の失恋の話で上書きする。「私が振られたときなんてもっとひどくて……」経験を話すのはいいけど、話し始めて20分続いたら、主役が入れ替わっている。
- グループで公開して話し合う。友だちがあなたに話したことを、みんなのうわさ話にしないこと。グループの中で先頭に立って元恋人を叩くのもやめよう。
- 元恋人の SNS にコメントしに行く、「なんであんなことできるの」と DM する。友だちのために怒ってあげているつもりでも、友だちを本人が選んでいない戦いに引きずり込んでいる。
- あなたがたまたまその友だちを好き。失恋した人はすごく弱っている。このタイミングで距離を詰めたり告白したりすると、相手がOKしたのは、そばにいてくれることに対してだけかもしれない。本当に大事に思っているなら、まずはちゃんと友だちでいて、相手が立ち直ってから考えよう。相手がいちばん落ちているときに押すのは、どれだけ本気の好意から出たことでもフェアじゃない。
友だちの様子がおかしいとき、いつ専門の人に頼る?
悲しい、泣く、よく眠れない。最初の何週間かは、どれも普通のこと。でも次のようなことが見えたら、失恋の落ち込みの範囲を超えている。
- 何週間も食べられない、眠れない、仕事や学校に行けない。
- 「生きてるのに疲れた」「消えても別にいい」「もし自分がいなくなったら……」といった言葉が出てくる。
- お酒や薬の量がどんどん増えている。
- 元恋人に脅されている、つけ回されている、あるいは元恋人が何かしてくるのが怖いと言っている。
そんなときは、直接聞いていい。「自分を傷つけたいと思ったことある?」直接聞いても、その考えを植えつけることにはならない。むしろ話していいんだと相手に伝わる。イギリスの精神科医サイモン・ウェズリーらが関連する研究を見直したところ、「聞くと死にたい気持ちが強まる」という証拠は見つからなかった。友だちのそばにいて、一緒に電話して相談しよう。日本では、いのちの電話(0570-783-556)や、24時間つながるよりそいホットライン(0120-279-338)がある。元恋人からの暴力やつきまといなら DV相談+(0120-279-889、24時間)へ。緊急のときは110か119。ひとりで抱えなくていいし、専門の人に入ってもらうのは、友だちの信頼を裏切ることにはならない。
うまくできているか、どうやってわかる?
友だちがどれだけ早く悲しまなくなったかは見なくていい。見るのはこのへん。
- 友だちが自分から連絡してくる。つらいときに思い浮かぶ人の中に、あなたがいる。
- 友だちがあなたの前で泣けて、めちゃくちゃで前後のつながらない話もできる。
- だんだん別の話をするようになって、友だちが笑うようになってきた。
自分のことも忘れずに大事にしよう。あなたは友だちで、カウンセラーになる必要はない。そばにいるのにすごく疲れたら、こう言っていい。「今日はもうくたくた。明日また話そう。」これも正直さのひとつ。恋愛や人間関係のほかの記事は、恋愛関係のトピックにまとめてある。
セルフチェック:慰め方がわかっているか3問
1. 振られたばかりの友だちが泣きながら電話してきた。いちばんいいのは?
2. 友だちがずっと元恋人の悪口を言っている。友だちの味方をしたい。いいのはどれ?
3. 別れて3週目、周りはみんな自分の生活に戻っている。あなたにできるのは?
よくある質問
失恋した友だちを LINE で慰めるなら、何て送る?
短く、具体的に、返事を求めない。たとえば「いま聞いた。つらかったね。返事はいらないよ。話したくなったらいつでもいる」とか、「明日仕事終わったら空いてる。夜ごはん持っていく」とか。長い励ましの文章より、ずっといい。
友だちが何週間も同じ話をくり返す。どうすればいい?
くり返し話すのは、気持ちを消化しているということで、普通のこと。そのまま聞き続けてもいいし、やさしく少しだけ前に進む手伝いをしてもいい。「いま、いちばん引っかかってるのはどこだと思う?」何か月たってもまったく抜け出せないなら、カウンセラーに話してみるよう勧めてみて。
友だちが復縁したいと言っている。止めるべき?
まず、なぜ復縁したいのかを聞いて、それから自分の心配を伝える。でも決めるのは友だち。「前に揉めたあのことがまた起きないか心配。何か変わったと思う?」のほうが、「正気?」より役に立つ。元恋人が復縁したいと言ってきたらに、一緒に見られる判断のしかたがある。
失恋した人が「ひとりになりたい」と言う。それでも会いに行くべき?
ひとりになりたい気持ちは尊重しつつ、完全には消えないこと。「わかった、邪魔はしない。何日かおきにメッセージ送るね。返事はいらないよ、ここにいるって知らせたいだけ。」と言っておけばいい。友だちに上で書いたような危ないサインが出ているなら、相手の返事を待っているだけにはしないで。