マッチングアプリは役に立つでしょうか。役に立ちます。ただ、役に立つところは多くの人が思っているのとは違います。アプリは、本来なら出会えなかった人と出会わせるのはとても得意ですが、気持ちまでは作ってくれません。気持ちはたいてい会ってから生まれます。自然な出会いはその逆です。知り合える人は少なく、進み方もゆっくりですが、最初から本人を見ていて、相手もそのままのあなたを見ています。
このサイトの考えは、両方の道を使うことです。アプリは効率がよく、ベッドに寝転がったまま何人もと同時に知り合えます。会って知り合うと惹かれる力が強く、相手にはあなたの目線や口調や全体の雰囲気が見えます。どちらか一方だけだと、チャンスの半分を逃します。以下、まず比較表を出し、それから項目ごとに説明して、最後にどちらの道でも詰まる同じところを書きます。これは男女関係ありません。以下は「相手」と書きます。
マッチングアプリと自然な出会い:6項目の比較
| 比べるところ | マッチングアプリ | 自然な出会い(友達、サークル、仕事、生活圏) |
|---|---|---|
| 会う前にどれだけわかるか | 写真、自己紹介、メッセージ。情報は多いが、どれも選ばれたもの | 本人の話し方や人への接し方が先に見える。情報は少ないが、演じにくい |
| プレッシャー | 話しかけるプレッシャーは低いが、同時に大勢とやりとりすると疲れやすい | 話しかける最初の数十秒はプレッシャーが大きいが、その後はたいてい自然 |
| 断られたときの代償 | マッチしない、少し話して音沙汰なし。あまり痛くないが回数が多い | 回数は少ないが、断られたあとも会い続けるかもしれない |
| 安全 | 相手が誰か確かめにくく、自分で下調べが必要 | 共通の友達や場があるので確かめやすい |
| かかる手間 | ベッドの上で始められる。難しいのはやめること | 出かけて、定期的に顔を出す必要があり、最初はゆっくり |
| 出会える人 | 範囲が広く、生活圏の外の人にも会える | 範囲は狭いが、たいていあなたと接点がある |
ひとつだけ覚えるなら、これです。マッチングアプリは「始めること」を安くし、自然な出会いは「知ること」を安くします。
会う前にどれだけわかるか:アプリは情報が多いが、どれも選ばれたもの
マッチングアプリでは、まだ会ってもいないのに、相手の身長も職業も好きな映画も、飼っている犬の名前までわかります。情報はたくさんありますが、どれも相手が選んで載せたものです。写真は角度を選んでいるし、自己紹介は何度も書き直しているし、メッセージも10分考えてから返せます。
自然な出会いでわかることはずっと少ないですが、演じるのは難しくなります。バドミントンサークルに2か月いれば、相手が負けたときにどう反応するか、残ってネットの片づけを手伝うか、初めて来た人にどう接するかが見えます。こういうことはプロフィールには書けませんが、好きな映画よりもずっとその人を表していることが多いです。
マッチングアプリでは、写真とプロフィールで、相手があなたに反応するかどうかがほぼ決まります。写真は人に撮ってもらってもいいし、加工してもかまいません。いい写真を載せるのは相手への礼儀です。ただ、会ったときに写真と合っている必要があります。体型、髪の量、年齢があまりに違うと、会った瞬間に相手はだまされたと感じ、食事が終わったら帰ってしまいます。アプリでずっと返事が来ない、誘っても会えないなら、メッセージの言い方を変える前に、まず写真を直してください。どんな写真を載せるべきかは、マッチングアプリの写真の選び方にまとめています。
プレッシャーと断られること:小さな傷がたくさんか、一発の重いパンチか
マッチングアプリの断りは静かです。マッチしない、少し話して続かない、誘ったら「また考えます」。一回一回はあまり痛くありませんが、回数が多い。1か月たつと、その小さな無反応が積み重なって、うまく言えない疲れになります。
自然な出会いで断られる回数は少ないですが、話しかける前の数十秒は心臓がバクバクして、断られたあとも来週のサークル活動でまた顔を合わせます。この重いパンチを避けたくて、アプリに全部の望みをかける人はたくさんいます。それは自然なことで、人はもともと一瞬の強い不快さを大きく見積もり、長く続く後悔を小さく見積もりがちです。ただ、アプリを使う理由が「これならずっと面と向かって話しかけなくていい」なら、あなたが避けているものは消えていません。この気持ちの損得の計算は、無料レッスンの話しかける怖さと、あとに残る後悔で分けて説明しています。
同じ集まりの中で誘って断られたら、気まずくならないでしょうか。誘ってかまいません。ただ、口に出す前に、うまくいかなかったときの代償を考えておいてください。断られたあとも、二人は会い続けます。気まずさは、断られたこと自体よりも、断られたあとの振る舞いから来ることがほとんどです。一度誘って、相手が「いいえ」と言ったら「わかった」と返し、次に会ったときはいつもどおりあいさつする。それで気まずさの大半は何週間かで消えます。場をこじらせるのは、しつこく理由を聞く、共通の友達に伝言を頼む、そのまま顔を出さなくなる、といったことです。
職場ではもっと注意が必要です。二人のあいだに上司と部下や評価する立場の関係があるなら、相手は気軽に断れないので、誘わないことをおすすめします。普通の同僚同士でも、誘う前に職場恋愛の5つのチェックをひととおり確かめておくといいです。
安全:マッチングアプリでは自分でひと手間足す
自然な出会いには見えにくい利点がひとつあります。たいてい共通の友達や共通の場があって、相手が誰なのかを確かめやすいことです。マッチングアプリでは、相手が出してきた情報を信じるしかないので、自分でいくつか補ってください。
- 初めて会うのは、カフェやデパートのレストラン街のような人の多い公共の場所にします。行きも帰りも自分で動きます。
- 友達一人に、どこへ、誰と、だいたい何時まで、を伝えておきます。
- 写真が本人か自信がなければ、先に短いビデオ通話を一度頼んでもかまいません。
- 話しはじめて間もないのに、相手が投資、暗号資産、チャージの手伝い、お金を貸してほしい、という話に持っていったら、すぐにやりとりをやめてください。マッチングアプリの詐欺のいちばん典型的な流れです。迷ったら、警察の相談専用電話 #9110 に相談できます。
ただ、「友達の紹介」でも安全には気をつけてください。顔見知りだと警戒がゆるみます。最初の何回かは同じように人目のある場所を選び、自分で帰れる手段も確保しておきます。会う前、デート中、終わったあとにそれぞれ何に気をつけるかは、初デートの安全ガイドにリストをまとめています。
手間と出会える人:始めるのは簡単、やめるのが難しい
マッチングアプリのハードルは信じられないほど低く、毎晩寝る前に10分スワイプするだけで「出会いを探している」ことになります。問題は、それが道具から習慣に変わりやすいことです。新しいマッチが来るとちょっと気分がよくなり、すぐにまた次が欲しくなる。外からの刺激で心の空白を埋めるこのくり返しは、レッスンの外からの刺激のランニングマシンでくわしく分解しています。
自然な出会いは最初がゆっくりで、出かけて、定期的に顔を出す必要があります。でも、積み重ねたものはあまり無駄になりません。好きな人に出会えなくても、通う場所がひとつ、友達が何人か、できることがひとつ増えます。ミシガン大学のロバート・ザイアンスが1968年にまとめた単純接触効果でも、人はよく見る顔にふつう少し好感をもつことが示されています。「毎週同じ場所で見かける」から始まった恋はたくさんあります。そういう場を探すなら、アプリ以外でどこで出会う?を読んでみてください。
出会える人については、マッチングアプリの強みははっきりしています。範囲が広いことです。スタンフォード大学のマイケル・ローゼンフェルドらはアメリカのカップルがどう出会ったかを長く調べ、2017年にはインターネットが友達の紹介を抜いて、アメリカの異性カップルでいちばん多い出会い方になったことを見つけました。ほかの国や地域で割合が同じとは限りませんが、少なくともアプリで本気で相手を探している人が少なくないことはわかります。職場が10人しかいない、新しい街に引っ越したばかり、探している相手が生活圏にもともと少ない、という場合は、アプリが確かにその部分を補ってくれます。
あなたに合うのはどっち?2つの道の組み合わせ方
たいていの人は両方を一緒に使うのがいちばん得で、違うのはどちらに重心を置くかだけです。
- アプリを多めに:生活圏が固定されている、引っ越したばかり、生活リズムが多くの人とずれている(シフト勤務、出張が多い)。そのうえで、決まった時間に使えて、使ったあとにもっとむなしくならない人。
- 自然な出会いを多めに:スワイプしはじめると止まらず、終わったあとのほうが疲れている人。あるいは、文字だと自分を出しにくく、会ったほうが自然にいられる人。
- 両方使う:たいていの人はこれです。たとえば平日の一晩だけアプリを開き、週末は山登りサークルやボードゲーム会に行き、道で気になる人がいたら話しかける。何人かと同時に知り合っておくと、一人のことで一喜一憂しにくくもなります。
おすすめしない使い方が2つあります。ひとつは、マッチを気分の栄養剤にして、たくさん話すのに一度も誘わないこと。もうひとつは、「自然な出会い」を動かない理由にすること。縁を待っていると言いながら、実はリスクをとらなくていい瞬間を待っている状態です。スワイプに疲れきっているなら、マッチングアプリ疲れに具体的な立て直し方があります。
平日の一晩だけ開いて、ちょうどいいところまで話したら会う約束をする。
マッチを気分の栄養剤にして、たくさん話すのに一度も誘わない。
決まったサークルに通って、気になる人がいたら話しかける。
縁を待っていると言いながら、リスクをとらなくていい瞬間を待っている。
よく撮れていて、加工してもいい。会ったときに合っている。
体型、髪の量、年齢がだいぶ違う昔の写真。
意外なのは、自然な出会いのほうが、アプリよりも自分から動く必要があることが多い点です。アプリは少なくとも人を目の前まで連れてきてくれますが、生活圏の人は、あなたに興味があることを自分では気づいてくれません。
どちらの道でも、最後は同じ一歩で詰まる
2つの道がいちばんよく止まるのは同じところです。誰もはっきり誘わないこと。アプリでは、3週間話してもまだ天気の話をしている。サークルでは、1年間「話しやすい友達」をやっている。
はっきりした誘いには、日時、場所、何をするかが入っています。断れる余地を文章に書き足す必要はありません。言ったら止まり、相手が断ったら「わかった」と返す。それが断りやすさになります。
何気ない理由に、日時、場所、何をするかを加えて、言い切る形で言う。相手はとても答えやすい。
生活圏なら、会ったときに言えば十分です。「次のサークルのあと、二人でラーメン食べに行こう」。
「二人で」がとても大事です。これで相手は、サークルの全員と行くのではなく二人で行く誘いだとわかります。意図をはっきり言えば、相手は本当の意味で選べます。オンラインのやりとりは、二人とも望む一回の会う約束までたどり着くためのもので、レッスンのオンラインのやりとりは会うためにあるはまさにその話です。どこまで話したら誘っていいかは、マッチングアプリはどれくらいやりとりしてから会う?にセルフチェックがあります。メッセージと誘い方の記事は、LINEと誘い方のトピックページにまとめています。
アプリでも生活の中でも、知り合って話が合ったら、誘ってください。
セルフチェック:選び方と誘い方、わかってる?3問
1. マッチングアプリと自然な出会いについて、いちばん正確なのは?
2. アプリで3週間、ずっと楽しく話している。次にいちばんいいのは?
3. 話しはじめて間もないのに、相手がすごくもうかる投資の話をしてきた。どうする?
よくある質問
マッチングアプリで本当に恋愛できる?
できます。アプリで出会った長く続くカップルも少なくありません。違いが出るのはたいていアプリではなく使う人のほうです。何を探しているかをはっきり書いているか、しばらく話したら会う約束を出すか、会ったときに同じ人か。
マッチングアプリは遊び目的の人ばかり?
そうではありません。同じアプリの中に、長い関係を探している人も、話したいだけの人も、ただ暇な人もいます。相手の自己紹介とやりとりの態度を見て、わからなければ直接聞いてください。「ここでは何を探してるの?」。アプリの名前より、相手の答えのほうが当てになります。
自然に出会った相手のほうが信用できる?
そうとは限りません。共通の友達がいれば相手が誰かは確かめやすいですが、相手があなたに合っているか、誠実かまでは保証されません。どう知り合っても、見るところは同じです。言ったことをやるか、あなたのペースを尊重するか、あなたが「いいえ」と言ったときにどう反応するか。
アプリを使いながら生活の中でも人と知り合うのは、一途じゃない?
関係がはっきりする前に何人かと同時に知り合うのはよくあることで、一途じゃないことにはなりません。一人の返事がないだけで不安にならずに済みます。相手に聞かれても、誰と話しているかを一人ずつ報告する必要はありません。二人が付き合うと決めたら、アプリは閉じます。